2023.3.18 第1037回放送分『小児疾患』3回目 ゲスト:今給黎 亮ドクター
二見いすず: | 今月のドクタートークは 「小児疾患」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島県医師会の今給黎亮(いまきいれ りょう)ドクターです。 今給黎さん、どうぞよろしくお願いいたします。
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今給黎亮Dr: | よろしくお願いいたします。
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二見いすず: | 先週そして先々週は、子どもの花粉症について教えていただきました。 今日は何についてお話しいただけますか?
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今給黎亮Dr: | 今週そして来週は、気管支喘息についてお伝えします。
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二見いすず: | 分かりました。 喘息になるときは、なにか前兆のようなものがあるのでしょうか?
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今給黎亮Dr: | 朝喘息がある子どもも、普段はほとんど症状なく過ごしますが、時々「発作」というきつい症状を起こします。 この発作のときに、前兆がある子どもと無い子どもがいます。 前兆がある場合は、喉の痛みから始まることが多いです。
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二見いすず: | 喘息になると、よく「ゼイゼイする」という症状が出ますが、これはなぜなのでしょうか?
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今給黎亮Dr: | 空気の通り道がせまくなると、呼吸や咳で空気が通るときに音がするのでゼイゼイします。 発作の時には空気の通り道がすごくせまくなっています。 ちなみに赤ちゃんは、喘息ではなくても空気の通り道が細いのでただの風邪でもゼイゼイします。 だから赤ちゃんのゼイゼイと、幼児期以降のゼイゼイは違うんです。 幼児期以降もゼイゼイすると、喘息の割合が高くなります。
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二見いすず: | そうなんですね。 原因となるのは、やはりハウスダストが多いのでしょうか?
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今給黎亮Dr: | そうですね。 喘息になるのは、空気の通り道が荒れているからです。 荒れの原因はハウスダストが一番多いです。 発作のきっかけも、エアコンやほこりっぽい場所の掃除が多いですが、急な天気や気圧の変化、アイスクリームなど冷たいものを食べたとき、動物園に行った夜なども発作を起こす子がいます。
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二見いすず: | いろんなことがきっかけになるんですね。
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今給黎亮Dr: | 「いろいろなものに敏感になっているから」という理由です。 そして発作が起きたら、本人のきつさを判断することが大切です。 まず、横になって寝られるか?というのが、一つの判断材料になります 呼吸が苦しいときは座っている方が楽で、横になる方がきついと覚えておいてください。
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二見いすず: | 通常、体の具合が悪い時は、ベッドに横になりたいものですが、喘息のときは逆なのですね。
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今給黎亮Dr: | はい。 座らないときついなら、急いで病院へ行きましょう。 また、話せるかどうかも判断材料になります。 軽い症状のときは文章で話せますが、きついときは一言ずつ単語で話すようになります。 さらに顔色も確認しましょう。 唇の色が紫の時は血液の中の酸素が下がっているので、救急車を呼ぶようにしてください。
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二見いすず: | 病院では、どのような治療をするのでしょうか?
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今給黎亮Dr: | まず吸入、という治療をします。 狭くなった気管を広げるお薬を機械で霧状にして、吸いこむことで効果が出ます。 吸入してもよくならない場合は点滴や入院が必要になります。
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二見いすず: | 分かりました。 今月は、小児疾患についてお伝えしています。 お話は鹿児島県医師会の今給黎亮ドクターでした。 ありがとうございました。
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今給黎亮Dr: | ありがとうございました。
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