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2023.4.8 第1040回放送分『生活習慣病』2回目 ゲスト:宮田 昌明ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「生活習慣病」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の宮田昌明(みやた まさあき)ドクターです。
宮田さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

宮田昌明Dr: よろしくお願いいたします。
今日はまず、動脈硬化の危険因子からお伝えいたします。
動脈硬化の危険因子は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙などが挙げられます。
そしてこれらの危険因子は、集まれば集まるほど虚血性心疾患のリスクが増加します。
たとえば45歳男性でタバコを吸わず、コレステロールも血圧も正常な男性Aさんと比較してみましょう。

 

二見いすず: はい。

 

宮田昌明Dr: まずタバコを吸っている方は、Aさんと比較してリスクは1.6倍ですが、これがタバコを吸っていてかつ、コレステロールも高い方だとリスクは6倍に。
さらに血圧まで高ければ、Aさんと比較してリスクは16倍も高くなります。

 

二見いすず: そんなに高くなるんですね。

 

宮田昌明Dr: はい。
ちなみにどのようなことが動脈硬化性疾患の死亡につながるかというと、一番多いのが高血圧、次に運動不足、そして喫煙の順です。
他にも、高血糖や悪玉コレステロールが高い、魚を食べないなどの原因もあります。

 

二見いすず: 高血圧、運動不足、喫煙の順とのことですが、運動不足がそれほど動脈硬化性疾患の死亡につながってしまうというのが驚きでした。

 

宮田昌明Dr: これは、倹約遺伝子というのが関係しているんです。

 

二見いすず: 倹約遺伝子、初めて耳にするのですが、倹約というのは、あの倹約家の倹約でいいのでしょうか?

 

宮田昌明Dr: はい、そうです。
食に困らない現代では想像もつきませんが、私たち人類は、大昔から飢餓と戦ってきたんです。
そのため生き延びるために、生存に有利な変化をしてエネルギーを効率よく脂肪に蓄えるための遺伝子変異を起こしてきました。
それが、倹約遺伝子です。

 

二見いすず: そうなんですね。
でもその遺伝子は、この飽食の現代だと必要ないということですよね?

 

宮田昌明Dr: はい。
食べ過ぎに注意して、食べたぶんはきっちり動かないと肥満を招いてしまう、現代には不利な遺伝子となってしまいました。
だから、適度な運動がとても大切になってくるんです。

 

二見いすず: そうご説明いただくと、とてもよく分かります!
春になって気候も良くなってきましたし、ぜひ適度な運動を心がけたいですね。
今月は生活習慣病をテーマにお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の宮田昌明ドクターでした。
ありがとうございました。

 

宮田昌明Dr: ありがとうございました。