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2023.5.6 第1044回放送分『白血病』1回目 ゲスト:伊藤 能清ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「白血病」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の伊藤能清(いとう よしきよ)ドクターです。
伊藤さん、どうぞよろしくお願いいたします。
伊藤能清Dr: よろしくお願いいたします。
二見いすず: 白血病という病名はラジオをお聞きのみなさんもご存知でしょうが、詳しくは分からないという方も多いかと思います。
まずは、白血病がどのような病気なのかについて教えていただけますか。
伊藤能清Dr: 分かりました。
白血病は血液のがんの一種で、若い人でも発症することがあります。
最近では競泳の池江選手の例があるので、ご存知の方も多いかと思います。
二見いすず: そうでしたね。
闘病後の東京大会出場には、多くのみなさんが驚きと感動を覚えたと思います。
伊藤能清Dr: そうですね。
他のがんである胃がんや肺がん、大腸がんなどと異なるのは、白血病にはステージという考え方がないことです。
二見いすず: そうなんですか?
他のがんだと、早期で見つかった場合はステージ1などと言われますが・・・
伊藤能清Dr: はい。
例えば胃がんで早期だったら、胃のその部分だけを治療すればいいのですが、正常の血液細胞と同様に血液のがんも全身を駆け巡っているので、「どこか1箇所だけ治療すればいい」というわけにはいかないんです。
二見いすず: たしかに言われてみたらそうですね。
伊藤能清Dr: はい。
そして白血病は、急性と慢性に分かれます。
これは症状が急激に出るかどうかの違いです。
急性だと、症状が出てから何も治療をしなかった場合、亡くなるまでおよそ数日から1年以内です。
二見いすず: そんなに早いのですね。
慢性の場合は、どうなんでしょうか?
伊藤能清Dr: 慢性の場合は数年間自覚がないこともあります。
急性と慢性に分かれるとお伝えしましたが、その中でもそれぞれ骨髄性、リンパ性に分かれるため、白血病には大きく、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病の大きく4つに分類されます。
そこからさらに細分化されていくのですが、それによって抗がん剤の使い方など治療方法も変わってきます。
二見いすず: そうなんですね。
ちなみに、白血病にかかりやすくなる原因などはあるのでしょうか?
伊藤能清Dr: 大量の放射線被ばくなどが良く知られていますが,今の日本ではあまり特定の原因はないと言えます。
年齢的なものが一番大きいです。
先程は若い人も発症することがあるとお伝えしましたが、発症率でみると、男女ともに50歳あたりから急に増えています。
二見いすず: そうなんですね。
やはり年齢が高くなるとそれだけリスクも高くなるということですね。
伊藤能清Dr: しかし以前と異なり、現在は化学療法や骨髄移植の発展により、白血病は治癒できるがんになってきました。
がんサバイバーが増えてきています。
二見いすず: よく分かりました。
今月は白血病をテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の伊藤能清ドクターでした。
ありがとうございました。
伊藤能清Dr: ありがとうございました。