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2023.6.10 第1049回放送分『熱中症』2回目 ゲスト:江口 智洋ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島市立病院救命救急センターの江口智洋(えぐち ともひろ)ドクターです。
江口さん、よろしくお願いいたします。

江口智洋Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は熱中症の予防について教えていただきました。
暑い環境にいないことが一番大切ですが、どうしても炎天下で作業や運動などをする場合は、こまめな水分補給が大切というお話でした。
また、屋外でのマスク着用はそれだけでリスクが高まるので、外すようにしましょうということでしたね。
今日は何について教えていただけますか。

江口智洋Dr: 今日は、熱中症になる環境的要因についてお伝えします。
天気予報を見る際、その日の気温だけを確認されているなら、決して気温だけが熱中症の要因になるわけではないということを覚えておいていただきたいと思います。

二見いすず: 気温以外には、どのようなことが熱中症の要因になるのでしょうか?

江口智洋Dr: 熱中症になる環境的要因としては、気温、湿度、そして輻射熱の3つがあります。
しかもその割合は、気温1、湿度7、輻射熱2となっています。

二見いすず: 湿度の高さもかなり気をつける必要があるんですね。
ただ、さまざまな要因が重なると、自分では判断が難しくなりますね。

江口智洋Dr: そうですね。
そこで活用していただきたいのが、暑さ指数です。

二見いすず: 暑さ指数とはどういうものでしょうか?

江口智洋Dr: 先ほどお伝えした気温、湿度、そして輻射熱の3つの要素をもとに
算出された指数です。
スマートフォンで検索したらすぐに確認することができ、3時間ごとの暑さ指数が分かるようになっています。

二見いすず: それなら外出する前に、その日の暑さ指数を確認しておくといいですね。
ちなみに暑さ指数はどのくらいから注意が必要になりますか?

江口智洋Dr: 暑さ指数が28をこえると熱中症になる危険性が急激に高まるので、十分注意するようにしてください。
また、去年から熱中症警戒アラートというものが全国で運用されるようになりました。

二見いすず: 熱中症警戒アラートとは何ですか?

江口智洋Dr: 先ほどの暑さ指数が33を超えると予想された場合、気象庁から発表されます。
これまでの暑さ指数と併せて、夏場は情報に注意して行動していただきたいです。
また、梅雨のこの時期も、真夏ほどではありませんが、熱中症に対しての注意は必要です。

二見いすず: それはどうしてでしょうか?

江口智洋Dr: 湿度が高いと熱を放散するのが難しくなるからです。
そして梅雨が明けてすぐの頃も、体が暑さに慣れず熱中症になりやすいので、注意するようにしてください。

二見いすず: よく分かりました。
今月は熱中症についてお伝えしています。
お話は鹿児島市立病院救命救急センターの江口智洋ドクターでした。
ありがとうございました。

江口智洋Dr: ありがとうございました。