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2023.6.17 第1050回放送分『熱中症』3回目 ゲスト:江口 智洋ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島市立病院救命救急センターの江口智洋(えぐち ともひろ)ドクターです。
江口さん、よろしくお願いいたします。

江口智洋Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は熱中症になる環境的要因について教えていただきました。
気温、湿度、そして輻射熱の3つの要素をもとに算出された、暑さ指数が28をこえると、熱中症になる危険性が急激に高まるため、注意が必要ということ。
さらに熱中症警戒アラートをはじめ、熱中症に関する情報をきちんと把握しておくことが大切というお話でした。
今日は何について教えていただけますか。

江口智洋Dr: 今日は熱中症の症状についてお伝えいたします。

二見いすず: 症状も軽症から重症まであると思いますが、まずは軽いものから教えてください。

江口智洋Dr: 軽症だと、めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返りなどです。
このような状態でしたら、涼しいところで休み、しっかりと水分を補給してください。

二見いすず: このような状態なら、まだ救急車は呼ばなくても大丈夫ということでしょうか?

江口智洋Dr: もちろん個人差はあると思いますが、大丈夫な方がほとんどです。
しかし、これより症状が重くなったら、迷わず救急車を呼んでください。

二見いすず: たとえばどのような症状になりますか?

江口智洋Dr: 頭痛やだるさ、吐き気や嘔吐、判断力の低下や軽い意識障害が出てきたときです。
さらに重度になると、強い意識障害、痙攣、脳や肝臓、腎臓などの
内蔵機能の障害がみられます。

二見いすず: 重度になると、かなり危険ということが分かりますね。

江口智洋Dr: はい。
しかし先ほどお伝えした軽症の場合でも、大丈夫と安易に考えてはいけないケースがあります。

二見いすず: それはどのようなときですか?

江口智洋Dr: 例えば立ちくらみの場合、その日が暑いとご自身で勝手に、「軽い熱中症かも」と決めつけがちだと思うんです。

二見いすず: 確かにとても暑い日にそのような症状が出たら、「これは熱中症だ」と思ってしまうでしょうね。
しかし、それはよくないということなのでしょうか?

江口智洋Dr: もしかしたら別の病気という可能性もあります。

二見いすず: 言われてみたら、確かにそういう場合もありますね。

江口智洋Dr: 先ほどもお伝えしたとおり、いったんは涼しい場所で水分補給して、それでも、だるさやめまいなどの症状が残っていたら、熱中症以外の可能性もあるので、かかりつけ医に診てもらうことをおすすめします。

二見いすず: よく分かりました。
今月は熱中症についてお伝えしています。
お話は鹿児島市立病院救命救急センターの江口智洋ドクターでした。
ありがとうございました。

江口智洋Dr: ありがとうございました。