2023.7.29 第1056回放送分『感染症』5回目 ゲスト:西 順一郎ドクター
二見いすず: | 今月のドクタートークは「感染症」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島県医師会の西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。 西さん、最終日もよろしくお願いいたします。
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西順一郎Dr: | よろしくお願いいたします。
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二見いすず: | 先週はコロナの飲み薬について教えていただきました。 今日は何についてお話いただけますか?
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西順一郎Dr: | 今日は、コロナ以外の子どもと高齢者のワクチンについてお伝えします。 まず子どものワクチンですが、来年小学校に入学するお子さんは夏休みを利用して、ぜひ麻疹と風疹を予防するMRワクチンを接種してください。 MRワクチンは1歳で1回目を接種し、小学校就学前が2回目になります。
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二見いすず: | 該当するお子さんは、忘れずに接種していただきたいですね。
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西順一郎Dr: | はい。 実は新型コロナの影響で、定期接種の接種率が下がっているんです。
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二見いすず: | そうなんですか?
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西順一郎Dr: | はい。 MRワクチンの接種率はこれまでずっと95%以上だったのですが、2021年度は93%台に下がりました。 95%以上を維持しないと麻疹が流行してしまいます。
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二見いすず: | 95%を維持しないと流行するということは、それだけ感染力が強いということでしょうか?
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西順一郎Dr: | はい。 空気で感染しますので、感染症の中で最も感染力が強く、この4月も新幹線の中で感染が広がりました。 今年は全国で麻疹の患者が増えていますので早めの接種をお勧めします。 それ以外の定期接種の接種率も下がっていますので、母子手帳をご確認ください。
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二見いすず: | 分かりました。 つづいて、高齢者のワクチンについても教えてください。
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西順一郎Dr: | 高齢者の命と健康寿命をのばすためにぜひ受けていただきたいワクチンが2つあります。 まずは肺炎球菌ワクチンです。 肺炎球菌は肺炎の原因の3分の1を占め、敗血症や髄膜炎を起こします。 高齢者の定期接種になっているワクチンの他にも2種類のワクチンが任意接種として接種できますので医療機関にご相談ください。
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二見いすず: | 分かりました。 高齢者に打ってほしいワクチンは、もう1つあるんですよね?
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西順一郎Dr: | ラゲブリオは、ウイルスの遺伝子の複製を阻害する薬です。 妊婦は飲めないので注意してください。 この薬も重症化の割合を約半分に下げる効果と、コロナ以外の病気による入院や死亡を減らす効果があります。 パキロビッドパックもラゲブリオも1日2回5日間ですが、発症5日以内に飲めば、重症化予防効果が期待できます。
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二見いすず: | 分かりました。 高齢者や基礎疾患のある方以外の、一般の人たちが飲む薬はどのようなものになりますか?
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西順一郎Dr: | はい。 帯状疱疹ワクチンです。 帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスが起こす病気です。 水ぼうそうが治った後も、ウイルスは神経の中に隠れて一生にわたり潜伏します。 加齢やストレスの影響で免疫が弱まると活動を再開し、皮膚に出てきて帯状疱疹を発症させます。 治った後もとても痛い神経痛が長く続くことがありますので、ワクチンによる予防がおすすめです。 50歳以上では生ワクチンと不活化ワクチンの2種類がありますので、こちらも医療機関にご相談ください。
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二見いすず: | よく分かりました。 今月は感染症について鹿児島県医師会の西順一郎ドクターに貴重なお話をしていただきました。 ありがとうございました。
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西順一郎Dr: | ありがとうございました。
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