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2023.8.19 第1059回放送分『免疫不全症』3回目 ゲスト:西川 拓朗ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「免疫不全症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の西川拓朗(にしかわ たくろう)ドクターです。
西川さん、よろしくお願いいたします。

西川拓朗Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今日は何について教えていただけますか?

西川拓朗Dr: 今日は先週の続きで、生まれつきの疾患である原発性免疫不全症の治療についてと、大人で発症する原発性免疫不全症についてお伝えします。

二見いすず: ではまず、原発性免疫不全症の治療について教えてください。

西川拓朗Dr: はい。
原発性免疫不全症の治療は3つあります。
1つ目が抗微生物薬の予防内服です。
2つ目は、抗体を補充する免疫グロブリン補充療法です。
外来で4週間に1回程度、点滴投与する方法と週に1回、自宅で皮下注射を投与する方法があります。
そしてまもなく、自宅皮下注射用のポンプが小型化され、動きも制限されることなく皮下注射ができるようになる予定です。

二見いすず: つまり、患者さんの負担も軽減されるということですね?

西川拓朗Dr: そうですね。
最後に3つ目の治療法が根治療法で、造血細胞移植。
これは骨髄移植や臍帯血移植になります。

二見いすず: 分かりました。
続きまして、大人の免疫不全症について教えてください。

西川拓朗Dr: はい。
大人の免疫不全症、これは分類不能型免疫不全症というものが多いです。
ちょっと長くて難しい名前ですね。
原発性免疫不全症の中で最も多く、発症年齢は6歳から10歳、そして26歳から40歳がピークです。
しかし、これ以外の年齢の方も発症します。
事実、私のところにも50歳の患者さんが受診されました。

二見いすず: 50歳をこえて初めて診断されると、ご本人も驚かれたでしょうね。
先週の放送で、体に異変を感じたらまずはクリニックで血液検査をするとお聞きしましたが、この方もそうだったのでしょうか?

西川拓朗Dr: はい。
私のところに受診される3ヶ月ほど前から、副鼻腔炎や気管支炎、
肺炎などを繰り返したため、クリニックから別の病院へ紹介受診され、その後さらに私のところへ紹介受診となりました。
現在は、先ほどお伝えした定期的な皮下注射により、普通にお仕事や家事ができ、日常生活を送られています。

二見いすず: それを聞いて安心しました。
やはりどの病気もそうですが、「あれ?なんかおかしいな」と感じたら、すぐに病院で診てもらうことの大切さを改めて実感しますね。

西川拓朗Dr: 本当におっしゃるとおりです。

二見いすず: 今月は免疫不全症についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の西川拓朗ドクターでした。
ありがとうございました。すね。

西川拓朗Dr: ありがとうございました。