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2023.9.2 第1061回放送分『間質性肺炎』1回目 ゲスト:内田 章文ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「間質性肺炎」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の内田章文(うちだ あきふみ)ドクターです。
内田さん、よろしくお願いいたします。

内田章文Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 早速ですが、「肺炎」はよく耳にしますが、「間質性肺炎」というのは、肺炎とはまた違う病気ということでしょうか?

内田章文Dr: そうですね。
そもそも肺は、肺胞というぶどうの房状の小さな袋がたくさん集まってできている臓器です。

二見いすず: ぶどうの一粒、あれが肺胞と想像すればいいんですね。

内田章文Dr: はい、そうです。
みなさんがよく耳にされる肺炎は、その肺胞の内側に炎症がおきます。
一方、間質性肺炎は、肺胞と肺胞の間の壁の部分、ここを「間質」というのですが、ここに炎症がおきて、固くなったりする病気です。

二見いすず: 肺炎と間質性肺炎では、炎症がおこる場所が違うんですね。
ほかにも何か違いはありますか?

内田章文Dr: 肺炎は菌がいなくなれば完治しますが、間質性肺炎は、多くは一生付き合っていく病気です。

二見いすず: 完治しないとなると、大変ですね。
普段生活している上で、「おかしいな」と気づくことはあるのでしょうか?

内田章文Dr: 間質性肺炎の2大症状が、息切れと空咳です。
日常生活において、今までなんてことなかった家事や散歩で息切れが起こるようになります。
もっと病気が進行すると、入浴や着替えといった軽い動作でも息切れを感じるようになります。

二見いすず: そうなんですね。
どうして息切れを起こしてしまうのでしょうか?

内田章文Dr: 呼吸をすると酸素が体内に送り込まれますよね?

二見いすず: はい。

内田章文Dr: 健康な人ならば、酸素は肺胞から間質を通り抜けて、毛細血管に取り込まれるのですが、間質性肺炎だと間質に炎症がおこり、固くなって間質が分厚く硬くなるので、酸素の取り込みがうまくできず、息切れをおこしてしまうんです。

二見いすず: そういった理由なんですね。
さきほど、空咳の症状も出るとのことでしたが・・・

内田章文Dr: はい。
間質性肺炎では痰を伴わない空咳が特徴です。
これまでよりも息切れするようになった、空咳がでるようになった。
これらの症状が1ヶ月以上続いたら、かかりつけの内科を受診し、聴診器を当ててもらってください。
このとき、体の前だけではなく、後ろの肩甲骨より下の部分で当ててもらうことが大切です。

二見いすず: よく分かりました。
今月は間質性肺炎についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の内田章文ドクターでした。
ありがとうございました。

内田章文Dr: ありがとうございました。