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2023.9.9 第1062回放送分『間質性肺炎』2回目 ゲスト:内田 章文ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「間質性肺炎」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の内田章文(うちだ あきふみ)ドクターです。
内田さん、よろしくお願いいたします。

内田章文Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、一般的な肺炎と間質性肺炎の違いや症状などについてお話しいただきました。
間質性肺炎の2大症状としては息切れと空咳があり、これらの症状が1ヶ月以上続くときは、かかりつけ医を受診した方がよいとのことでした。
今週は、どのようなことについて教えていただけますか。

内田章文Dr: 今週は、間質性肺炎の原因と分類についてお伝えします。
間質性肺炎は、さまざまな原因で起きます。
原因が特定できているものとしては、関節リウマチや全身性強皮症、皮膚筋炎などの膠原病によるもの、また、カビや鳥、化学物質などの抗原を反復して吸入したことによるもの、あと最近増えているのが、治療薬の副作用や健康食品、サプリメントなどによるものです。

二見いすず: 治療薬や健康食品などが原因になることもあるというのが、ちょっと驚きです・・・

内田章文Dr: これは薬剤性肺炎というのですが、薬を点滴したり内服したりすることが原因で、本来の効能以外の予期せぬ有害な反応が生じることがあります。
そして今お伝えしたさまざまな原因は、原因が特定できるものですが、実は一番多いのが、原因が不明な間質性肺炎なんです。

二見いすず: そうなんですね。

内田章文Dr: はい。
間質性肺炎のうちの半分くらいは原因不明で、これを特発性間質性肺炎といいます。
特発性間質性肺炎は国の指定難病の一つで、さらにいくつかに分類されますが、その中でも最も患者数が多く、重症な病気が、特発性肺線維症です。

二見いすず: 特発性肺線維症ですね。
患者さんが多いとのことですが、どのくらいいらっしゃるのでしょうか?

内田章文Dr: 日本では約1万数千人とされていて、高齢者、男性、そして喫煙者に発症しやすいことが分かっています。
特発性肺線維症は最も治療が難しく、個人差はありますが、進行したガンと同じような経過や予後をたどることもあります。

二見いすず: 間質性肺炎の中でも、最も多いのが原因不明の特発性間質性肺炎で、その中でも最も多く重症な病気が、特発性肺線維症ということなんですね。
今月は間質性肺炎についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の内田章文ドクターでした。
ありがとうございました。

内田章文Dr: ありがとうございました。