2023.9.16 第1063回放送分『間質性肺炎』3回目 ゲスト:内田 章文ドクター
二見いすず: | 今月のドクタートークは「間質性肺炎」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島県医師会の内田章文(うちだ あきふみ)ドクターです。 内田さん、よろしくお願いいたします。
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内田章文Dr: | よろしくお願いいたします。
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二見いすず: | 先週は、間質性肺炎の原因と分類についてお話しいただきました。 間質性肺炎の中でも最も多いのが、原因不明の特発性間質性肺炎で、その中でも最も多く重症な病気が、特発性肺線維症ということでした。 今日は何について教えていただけますか?
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内田章文Dr: | 今日は、間質性肺炎の検査と診断についてお伝えします。 まず問診では息切れや空咳など、以前との変化などを確認し、原因が特定できる間質性肺炎の可能性を探るため、治療歴や生活環境、職業などをお聞きしていきます。 そして第1週目でもお伝えしましたが、聴診器を当てる際は、背中の方にも当てることがとても大切です。
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二見いすず: | それはどうしてなのでしょうか?
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内田章文Dr: | 間質性肺炎では、背中側の下方部分で特徴的な音がします。 息を吸うと、バリバリバリというマジックテープを剥がすような硬い音がするんです。 これが聞こえたときは間質性肺炎が存在する可能性が非常に高く、ときにレントゲンよりも先に、この音で発見されることもあります。
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二見いすず: | そのくらい特徴的な音ということですね。 他にはどのような検査をしていくのでしょうか。
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内田章文Dr: | 胸部のレントゲン検査とCT検査です。 特に、特発性肺線維症の高分解能CTでは、かたくなる線維化が進行して蜂の巣のようにみえる「蜂巣肺」という所見がみられ、診断の際に重要となります。
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二見いすず: | そうなんですね。
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内田章文Dr: | あと、気管支鏡という細くてやわらかい内視鏡を使用し、気管支肺胞洗浄液を回収します。 胃カメラより細いカメラを口の中から入れますが、少々きつい検査なので入院しての検査となります。 また、肺生検といって、肺の組織の状態を詳しく調べて、間質性肺炎の原因や進み具合を判断します。 先ほどの気管支鏡で一緒に肺生検を行うことが可能になってきています。
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二見いすず: | いろんな検査方法があるんですね。
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内田章文Dr: | そうですね。 聴診器と診察、そして画像、あと気管支鏡や肺生検などの組織、これら3つを合わせて診断をつけていきます。
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二見いすず: | 分かりました。 今月は間質性肺炎についてお伝えしています。 お話は鹿児島県医師会の内田章文ドクターでした。 ありがとうございました。
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内田章文Dr: | ありがとうございました。
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