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2023.9.23 第1064回放送分『間質性肺炎』4回目 ゲスト:内田 章文ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「間質性肺炎」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の内田章文(うちだ あきふみ)ドクターです。
内田さん、よろしくお願いいたします。

内田章文Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、間質性肺炎の検査と診断についてお話しいただきました。
聴診器や診察、そしてレントゲンやCTの画像、さらに気管支鏡や肺生検などの組織、これらの3つを合わせて診断をつけていくとのことでした。
今週は何について教えていただけますか。

内田章文Dr: 今週は間質性肺炎の治療についてお伝えします。
治療において重要なのは、間質性肺炎の状況が炎症が主体なのか、かたくなる線維化が主体なのかを見極めることです。

二見いすず: 炎症か、線維化か、ですね。
見極めることが大切なのは、その後の治療方法が変わってくるからでしょうか?

内田章文Dr: はい、薬剤が変わってきます。
まず炎症が主体の場合ですが、ステロイドや免疫抑制剤を使用した抗炎症治療により、間質に起こった炎症を抑えます。
一方、線維化が主体の場合は、抗線維化治療を行います。
間質の線維化を引き起こす過剰なコラーゲンの増殖を抑えることで、病気の進行を遅らせることが期待されています。

二見いすず: 間質性肺炎の治療は、薬剤のみなのでしょうか?

内田章文Dr: 薬剤以外の治療もあります。
息苦しさの軽減や心身の機能を改善するために、呼吸リハビリテーションを行うことがあります。

二見いすず: この呼吸リハビリテーションは、先ほどの炎症、線維化、どちらでも行いますか?

内田章文Dr: はい、どちらでも行います。
呼吸リハビリテーションは医療機関だけでなく、ご自宅でも継続して行うことが大切です。
ご自宅でするときは、足踏みや軽い散歩などがいいでしょう。
足を動かすと呼吸もすることになるので、軽い運動でも結構ですので、足を動かす運動を続けることが大切ですよ。

二見いすず: これはやはり毎日行うのがいいんですよね?

内田章文Dr: そうですね。
理想は毎日、1日30分弱が目安です。
苦しくなったらやめる、楽になったら続けるを繰り返してみましょう。

二見いすず: 分かりました。

内田章文Dr: これらの治療を行っても、残念ながら病状が進行して酸素が取り込めず、酸素不足なった場合は、酸素吸入・在宅酸素療法を行うことがあります。
また、特定の条件を満たした場合には、肺移植が検討されることもあります。
喫煙は、間質性肺炎の状態を悪化させるので、必ず禁煙するようにしてください。

二見いすず: 分かりました。
今月は間質性肺炎についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の内田章文ドクターでした。
ありがとうございました。

内田章文Dr: ありがとうございました。