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2023.9.30 第1065回放送分『間質性肺炎』5回目 ゲスト:内田 章文ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「間質性肺炎」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の内田章文(うちだ あきふみ)ドクターです。
内田さん、最終週もよろしくお願いいたします。

内田章文Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、間質性肺炎の治療についてお話しいただきました。
間質性肺炎の状況が、炎症が主体なのか、かたくなる線維化が主体なのかを見極めることが大切で、それぞれで治療薬が変わるというお話と、呼吸リハビリテーションの大切さについてもお聞きしました。
今日は何について教えていただけますか。

内田章文Dr: 今日は、間質性肺炎の合併症についてお伝えします。
間質性肺炎の多くは、基本的にはゆっくりと進行する病気です。

二見いすず: ゆっくりというのは、どのくらいと思っておけばいいでしょうか。

内田章文Dr: 数年単位です。
しかし、数日から数週間という間で、急激に肺の機能が低下し、強い息切れや空咳の悪化、発熱などがみられることがあります。
これを急性増悪と呼びます。

二見いすず: 急性増悪ですね。
急性増悪を起こした場合は、どのような治療を行うのでしょうか。

内田章文Dr: 強力な抗炎症治療を行いますが、酸素投与や人工呼吸器管理が必要となったり、命に関わったりすることもあります。

二見いすず: それは大変なことですね。
治療で良くなる場合もあるのでしょうか。

内田章文Dr: 改善はしても、元の肺の状態には戻らず、その後の経過は不良であることが知られていて、急性増悪を発症させないことがとても重要です。

二見いすず: 発症させないための予防は何かありますか。

内田章文Dr: 急性増悪は呼吸器感染症をきっかけに発症することが多いので、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの予防が大切です。
日頃からうがい手洗い、マスク着用を心がけ、ワクチン接種も行うことが推奨されています。

二見いすず: 明日から10月になり、少しずつ秋へと向かっていきます。
季節の変わり目に風邪など引かないよう、また例年ですと、この先インフルエンザが流行する傾向にあるので、間質性肺炎の患者さんには、特に気をつけていただきたいですね。

内田章文Dr: そうですね。
また合併症で肺がんが起こりやすくなります。
通常の人が肺がんになるよりも、お薬の制限などがあり、治療法が選べなくなるので、早期発見をすることが大切です。

二見いすず: よく分かりました。
今月は間質性肺炎について鹿児島県医師会の内田章文ドクターに、貴重なお話をしていただきました。
内田さん、ありがとうございました。

内田章文Dr: ありがとうございました。