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2023.10.7 第1066回放送分『眼科疾患』1回目 ゲスト:尾辻 太ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「眼科疾患」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の尾辻太(おつじ ふとし)ドクターです。
尾辻さん、どうぞよろしくお願いいたします。

尾辻太Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 早速ですが、今日はどのようなことについてお話しいただけますか?

尾辻太Dr: 今日から3週にわたっては「緑内障」について、そして最後の週は糖尿病網膜症についてお伝えいたします。

二見いすず: 分かりました。
では今日は緑内障ということですが、そもそも緑内障とはどのような病気なのかについてまずは教えてください。

尾辻太Dr: はい。
緑内障は目と脳をつなぐ視神経に障害が起こり、視野が欠けていく病気です。
日本人の中途失明の原因第1位でもあり、40歳以上の20人に1人が罹患していると推計されています。

二見いすず: 40歳以上の20人に1人!結構多くて驚きました。
緑内障の原因には、どのようなものがあるのでしょうか?

尾辻太Dr: 遺伝や加齢、環境、さまざまなものがありますが、「確実にコレ!」と、原因を特定するのが難しい病気です。
ただし、なりやすいタイプというのはあって、ご家族に緑内障の方がいるとかかりやすい傾向があります。
あと近視の方は緑内障になるリスクが高くなります。

二見いすず: そうなんですね。
原因の特定は難しいとのことですが、自分で気付けるような、何か症状はあるのでしょうか?

尾辻太Dr: 実は厄介な点として、初期の緑内障では自覚症状がないというのが挙げられます。

二見いすず: それは初期の段階だと、自分では気がつかないということですか?

尾辻太Dr: そうなんです。
両目とも緑内障になる方もいますが、多くの方は片目、左右差があることが多いです。
そうなると、片方の目の視野が欠けていても、もう片方の目がそれを補ってくれるので、初期の段階では異常に気づきにくいのです。

二見いすず: そうなんですね。
大切な目の病気に気づけないまま進行してしまうと、のちのちの生活や仕事などに大きな影響を及ぼしてしまいますね。

尾辻太Dr: はい。
だから普段から、景色などを片目ずつで見て、視野が欠けているところはないかをチェックすることが大切です。
あと最も大切なのが定期的な検査なのですが、こちらについては来週詳しくお伝えいたします。

二見いすず: よく分かりました。
今月は眼科疾患についてお伝えしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の尾辻太ドクターでした。
尾辻さん、ありがとうございました。

尾辻太Dr: ありがとうございました。