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2023.10.14 第1067回放送分『眼科疾患』2回目 ゲスト:尾辻 太ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「眼科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の尾辻太(おつじ ふとし)ドクターです。
尾辻さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

尾辻太Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は緑内障について教えていただきました。
緑内障は、初期では自覚症状のないまま視野が欠けていく病気で、日本人の中途失明の原因第1位でもあり、40歳以上の20人に1人が罹患していると推計されるというお話でした。
今日はどのようなことについて教えていただけますか。

 

尾辻太Dr: 今日は検査についてお伝えします。
緑内障は自覚症状がなく初期の段階では異常に気づきにくいので、検査をしなければ、かなり進行してしまうことが多々あります。
だからこそ、眼圧検査や眼底検査がとても大切なんです。

 

二見いすず: 眼底検査ですね。
これはどのような検査になるのでしょうか?

 

尾辻太Dr: 眼底検査は瞳孔を開く目薬をつけ、光を入れて眼球の奥の状態を観察し、血管や網膜、視神経を調べる検査です。
ここで異常があれば視野検査をして、そこで視神経の障害と視野障害が一致すれば、緑内障と診断がつきます。

 

二見いすず: この眼底検査は何歳くらいから、どのくらいの頻度でするといいのでしょうか?

 

尾辻太Dr: 40歳以上の方は、年に1回検査するようにしてください。
お子さんでも中等度以上の近視の方は、定期的に検査することをおすすめします。

 

二見いすず: 分かりました。
眼底検査で緑内障と診断されたら、治療すれば良くなるのでしょうか?

 

尾辻太Dr: それが残念ながら傷んだ神経を元に戻すことはできないんです。
つまり、緑内障によって欠けてしまった視野は、元には戻らないということになります。

 

二見いすず: そうなんですね・・・。
緑内障はどのくらいのスピードで進行するものなのでしょうか?

 

尾辻太Dr: 進行のスピードは個人差によりますし、緑内障の種類にもよります。
10年から20年かけてゆっくり進行することもあれば、急性の場合は数ヶ月で進行してしまうこともあります。

 

二見いすず: わずか数ヶ月で進行してしまうこともあるんですね。

 

尾辻太Dr: はい。
初期の段階では自分では気づきにくいこと、そして傷んだ神経を元に戻すことはできないことから、繰り返しになりますが、年に1回の眼底検査をきちんと受けるようにしてください。

 

二見いすず: 眼底検査の大切さが、よく分かりました。
今月は眼科疾患についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の尾辻太ドクターでした。
ありがとうございました。

 

尾辻太Dr: ありがとうございました。