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2023.10.28 第1069回放送分『眼科疾患』4回目 ゲスト:尾辻 太ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「眼科疾患」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の尾辻太(おつじ ふとし)ドクターです。
尾辻さん、最終週もどうぞよろしくお願いいたします。

尾辻太Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週までは3週にわたって、緑内障についてお話しいただきました。
緑内障は初期では自覚症状がないため、早期発見するためにも、年に1回の眼底検査がとても大切ということでした。
今日は何について教えていただけますか。

尾辻太Dr: 今日は、その眼底検査で見つかる別の病気、糖尿病網膜症についてお伝えします。

二見いすず: 糖尿病網膜症ですね。
糖尿病とつくからには、「糖尿病の方がかかる目の病気」ということでしょうか?

尾辻太Dr: はい、そうです。
糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で、目の中の網膜という組織が障害を受けて、視力が低下してしまう病気です。
そのまま放置すると失明してしまうこともあるので注意が必要です。

二見いすず: そうならないためにも、糖尿病と診断されたら眼底検査を定期的に受けることが大切なんですね。

尾辻太Dr: そうなんです。
糖尿病網膜症も緑内障と同じで、初期だと自覚症状がほとんどありません。
糖尿病ではない方も眼底検査は定期的に受けていただきたいですが、糖尿病の方は特に意識して検査を受けていただきたいと思います。

二見いすず: それでも残念ながら糖尿病網膜症になってしまった場合、どのような治療をするのでしょうか?

尾辻太Dr: レーザー治療や注射、手術での治療になりますが、こちらも緑内障と同じで治療はあくまでも進行を抑えるのが目的なので、障害された網膜を完全に回復するのは困難な場合が多いです。

二見いすず: そうなんですね・・・。
いかに眼底検査が大切なのかが良く分かります。

尾辻太Dr: そうですね。
実は、眼底は体の外側から血管を直接見ることができる唯一の場所なんです。

二見いすず: そうなんですか!?

尾辻太Dr: はい。
つまり、「全身の健康状態を知ることができる場所である」ともいえます。
高血圧や脳疾患、糖尿病などの発見の手がかりにもなるんです。

二見いすず: 眼底検査は、目の病気だけを知るための検査ではないということですね。

尾辻太Dr: はい。
全身の血管の状態が予測できる検査でもあります。
目の健康、そして全身の健康にもつながる眼底検査をたとえ自覚症状はなくても、年に1回は受けるようにしましょう。

二見いすず: よく分かりました。
今月は眼科疾患について、鹿児島県医師会の尾辻太ドクターに
貴重なお話をしていただきました。
尾辻さん、ありがとうございました。

尾辻太Dr: ありがとうございました。