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2023.11.18 第1072回放送分『脊柱側弯症』3回目 ゲスト:山元 拓哉ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「脊柱側弯症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の山元拓哉(やまもと たくや)ドクターです。
山元さん、どうぞよろしくお願いいたします。

山元拓哉Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、大人になってから発症する側弯症について教えていただきました。
大きく2つのケースがあり、1つは子どものときに発症したものの、軽くて見逃していたために、大人になり悪化して気づくというケースです。
もう1つは加齢に伴うケースで、椎間板の劣化や骨粗鬆症、骨折などに伴って発症したり、パーキンソン病などが原因で発症したりすることがあるというお話でした。
今日は何についてお話しいただけますか?

山元拓哉Dr: 今日は治療についてお伝えします。
第1週で、子どもの脊柱側弯症は、原因不明の特発性側弯症が最も多いという話をしました。

二見いすず: はい、そうでしたね。

山元拓哉Dr: 特発性側弯症の場合は、側弯装具というがっちりしたコルセットをすると効果があることが多いです。
身長が一気に伸び始める、いわゆる成長期の3年間ほどは装具治療を取り入れます。

二見いすず: お子さんですし、「硬いコルセットは嫌」という思いをされることもあると思いますが、治療は1日のうち、どのくらい装着するのがいいのでしょうか?

山元拓哉Dr: 確かに硬い装具なので大変だと思いますが、できれば入浴や体育の時間以外は、ずっと装着しておくのが理想です。
でもどうしてもきつくて合わないという場合は、学校では外して、自宅だけでも頑張って装着するようにしましょう。

二見いすず: 分かりました。コルセットだけでは良くならない場合は、どのような治療をするのでしょうか?

山元拓哉Dr: その場合は手術になります。
その目安として、背骨の傾きの角度を図ります。
これはコブ角という指標で表されるのですが、子どもの場合、胸の胸椎は45度以上、腰の腰椎は35度以上になると手術をしたほうがいいです。

二見いすず: 子どもの場合ということですが、大人だと、手術の目安となるコブ角の角度は変わってくるのでしょうか?

山元拓哉Dr: 大人の場合は、角度よりも症状で手術をするかどうか決めます。
患者さんがどのくらい困っているか、どのくらい痛みや神経圧迫による症状があるかで手術をするかが決まります。

二見いすず: そうなんですね。

山元拓哉Dr: 大人の側弯症と子どもの側弯症の違いは、「真っすぐになりやすいか」どうかです。
やはり子どもの方が真っすぐになりやすい傾向があります。

二見いすず: 分かりました。
今月は脊柱側弯症についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の山元拓哉ドクターでした。
山元さん、ありがとうございました。

山元拓哉Dr: ありがとうございました。