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2024.1.13 第1080回放送分『依存症』2回目 ゲスト:長友医継ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「依存症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の長友医継(ながとも いつぎ)ドクターです。
長友さん、どうぞよろしくお願いいたします。

長友医継Dr.: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は依存症には大きく「物質依存」、「人間関係依存」、「行為依存」の3種類があることをお話しいただきました。
さらに「物質依存」には、アルコール依存症、薬物依存症、ニコチン依存症などがあり、先週はアルコール依存症について詳しく教えていただきました。
今日は引き続き、「物質依存」の中の薬物依存症、ニコチン依存症についてお願いいたします。
薬物依存に関しては、昨年より、大麻グミや、大学のアメフト部問題などが報道されていました。

長友医継Dr.: そうでしたね。
薬物事件において大麻は増えており、この10年でおよそ3倍にまで増えています。
大麻に限らず薬物依存は、精神依存と身体依存の悪循環で繰り返してしまい、結果、対人関係や家族、社会生活で問題を起こしてしまうのです。
ごくごく普通に生活していた人が、ほんの軽い気持ちから誘われて薬物依存症になってしまう怖さを、改めて認識して頂きたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
物質依存の最後、ニコチン依存症についても教えてください。

長友医継Dr.: はい。
ニコチン依存症の怖さは、なんといっても、薬物やアルコールよりも使用者が依存症になる割合が高いといわれていることです。
そして一度依存症になると、やめる難しさの度合は、コカインやヘロインと同程度なんです。

二見いすず: 喫煙者の方が「なかなかタバコがやめられない」というのは、本当なんですね。

長友医継Dr.: そうですね。
コカインやヘロインなどの薬物と違い、タバコは法律の側面からいうと何も悪くはないのですが、依存という側面からいうと、かなり厄介です。
ちなみにタバコを吸わない人にも、副流煙の問題があります。
喫煙者は周りの人への配慮を忘れないようにしましょう。
以上が物質依存についてです。

二見いすず: では次に、「人間関係依存」についても教えてください。

長友医継Dr.: これは、演歌の歌詞をイメージしてくださると分かりやすいかと思います。
「この人は私がいないと生きていけない」というような、共依存です。
たとえば「アルコール依存症の夫がいて、それに共依存してしまう妻」というパターンなどです。
「相手が悪いのに、自分が悪いからだ」と思い込むことも特徴の一つです。
ただし、共依存的にケアをすることすべてが悪いというわけでもありません。
献身的なケアが行き過ぎることに問題があるだけなのです。

二見いすず: よく分かりました。
今月は依存症についてお伝えしています。
お話は鹿児島県医師会の長友医継ドクターでした。
長友さん、ありがとうございました。

長友医継Dr.: ありがとうございました。