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2024.1.27 第1082回放送分『依存症』4回目 ゲスト:長友医継ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「依存症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の長友医継(ながとも いつぎ)ドクターです。
長友さん、最終週もどうぞよろしくお願いいたします。

長友医継Dr.: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 依存症には大きく「物質依存」、「人間関係依存」、「行為依存」の3種類があり、先週は「行為依存」、その中でもネット依存症について教えていただきました。
「行為依存」には、そのほかにも買い物依存症やギャンブル依存症などがあるということでしたね?

長友医継Dr.: はい。
買い物依存症は女性に多い傾向があります。
買い物をすると気分が高揚し、一時的に嫌なことが忘れられます。
ここまではみなさん、経験があると思います。

二見いすず: そうですよね。

長友医継Dr.: 問題はここからで、繰り返し買い物をしているうちに、欲しい物を買うのが目的ではなく、買い物という行為自体が目的になり、コントロールができなくなるのが、買い物依存症です。

二見いすず: 女性はショッピング好きな人が多いので、知らない間に依存症になってしまうこともありそうですね。

長友医継Dr.: そうですね。
しかし当たり前ですが、買い物にはお金が必要です。
繰り返し買い物をすると、借金をするようになり、それで自己破産してしまうケースもあります。
自己肯定感が低く、見栄を張りたい人がなりやすいです。
自分の収入以上のハイブランドを手に入れることで、自分の価値までもが上がったように感じる人はなりやすいので、心当たりがある方は、注意するようにしてください。

二見いすず: 続いてギャンブル依存症について教えてください。

長友医継Dr.: たまに気晴らしにパチンコに行くとか、競馬をするとか、そういった方は多いと思います。
依存症になるかどうかの違いは、
1,ギャンブルがしたくても自分の意思で止められるかどうか
2,きちんと仕事や家庭生活を続けられるかどうか
3,負けても深追いせずに、もちろん借金もせずにやめられるかどうか
これらが目安になります。

二見いすず: ギャンブル依存症というと、金銭問題が一番気になりますが、その他にはどんな影響がでるのでしょうか?

長友医継Dr.: その他には子どもへの虐待 ネグレクト、うつ病、失踪など金銭問題だけではなく、さまざまな影響が出てきます。
4週にわたってさまざまな依存症の話をしてきましたが、すべては「日常生活に影響があるかどうか」が、ひとつの基準になります。
薬物以外であれば、アルコールも、ネットも、買い物も、すべてほどほどに楽しむ程度なら、まったく問題はないのです。
もし、それ以上になって、日常生活に何らかの影響が出てきたと感じたら、専門医がおりますので、どうぞご相談されてみてください。
二見いすず: よく分かりました。
今月は依存症について、鹿児島県医師会の長友医継ドクターに貴重なお話をしていただきました。
長友さん、ありがとうございました。
長友医継Dr.: ありがとうございました。