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2024.2.3 第1083回放送分『ACP』1回目 ゲスト:大瀬克広ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「ACP アドバンス・ケア・プランニング」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の大瀬克広(おおせ かつひろ)ドクターです。
大瀬さん、どうぞよろしくお願いいたします。

大瀬克広Dr.: よろしくお願いいたします。

二見いすず: アドバンス・ケア・プランニング、その頭文字をとってACPという言葉ですが、初めてお聞きになったという方も多いかもしれません。
これはどういう意味なのでしょうか?

大瀬克広Dr.: それは、「自分が受けたい医療について、家族や医療者と話し合っておくこと」という風に理解していただけると、よろしいかと思います。
ACP アドバンス・ケア・プランニングは、医療や介護に携わる者には理解が広がっていますが、一般的にはまだ認知度が低いのが現状と思われます。
そこで厚生労働省では人生会議という愛称をつけて、広く一般に周知しようとしています。

二見いすず: アドバンス・ケア・プランニングは、イコール人生会議なんですね。

大瀬克広Dr..: はい。
ただこのアドバンス・ケア・プランニング、人生会議の話をする前に、まずは緩和ケアについてお伝えいたします。

二見いすず: わかりました。

大瀬克広Dr..: 緩和ケアというと、「末期がんなどの患者さんが受けるもの」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。

二見いすず: そうかもしれませんね。

大瀬克広Dr..: しかし、緩和ケアイコール終末期医療ではないんです。
緩和ケアは、がんの初期から受けることもできます。
そして痛みなどの身体的苦痛だけを取り除くのではなく、精神的な不安、治療における経済的な問題、お子さんがいるなら学校のことなど、さらには患者さんの家族の対応まで、医学的な治療だけではなく、さまざまなスタッフが全面的にサポートをします。

二見いすず: このような相談はどこでできるのですか?

大瀬克広Dr..: 「がん相談支援センター」がある病院に相談してください。
「今、別の病院にかかっている」という患者さんでもお気軽にご相談ください。

二見いすず: 大瀬さんは、いまきいれ総合病院にいらっしゃいますが、こちらでも相談できるということですね?

大瀬克広Dr..: はい、そうです。
鹿児島県内では離島を含め各地域に全部で27の病院に、無料の「がん相談支援センター」があります。

二見いすず: はい。

大瀬克広Dr..: がんの治療を受ける中で、いろんな選択肢がありますが、よりよい選択をするために、「自分が何を大切にしたいか?」を医療者や家族と一緒に、計画しましょうというのが、人生会議なんです。
「誰が自分の気持ちを代弁してくれるか?」これを決めておくことが大切です。

二見いすず:  よくわかりました。
今月は「ACP アドバンス・ケア・プランニング」についてお伝えしております。
お話は鹿児島県医師会の大瀬克広ドクターでした。
大瀬さん、ありがとうございました。

大瀬克広Dr..:  ありがとうございました。