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2024.3.2 第1087回放送分『子どもの食物アレルギー』1回目 ゲスト:吉川英樹ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「子どもの食物アレルギー」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の吉川英樹(よしかわ ひでき)ドクターです。
吉川さん、どうぞよろしくお願いいたします。

吉川英樹Dr.: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まずは、どんな子どもが食物アレルギーになりやすいのかについて教えていただけますか。

吉川英樹Dr.: はい。
食物アレルギーになりやすい子どもの特徴として、アトピー性皮膚炎の子どもがなりやすいということが挙げられます。
「食物アレルギーは、皮膚から始まる」と覚えておいてください。

二見いすず: 食物アレルギーは、皮膚から始まるんですね。
卵や小麦などを口から食べて、突然アレルギーになると勘違いされている人も多いかもしれませんね。
そうなると、そのアトピー性皮膚炎にそもそもならないことが大切ということでしょうか?

吉川英樹Dr.: そうなんですが、アトピー性皮膚炎のお子さんは、両親や兄弟などがアトピー性皮膚炎の人が多く、遺伝的な要因が大きいんです。

二見いすず: 多くが遺伝だとすると、気をつけるのにも難しい部分がありますね。

吉川英樹Dr.: そうですね。
アトピー性皮膚炎は生後3、4ヶ月で診断がつきます。
100人赤ちゃんがいるとすると、10人くらいがアトピー性皮膚炎です。

二見いすず: 1割も!結構多いなという印象です。

吉川英樹Dr.: そうかもしれません。
ですが、その中の7割は10歳までに治ります。

二見いすず: そうなんですね。
アトピー性皮膚炎では、どのような治療をするのですか?

吉川英樹Dr.: 治療法は大きく2つです。
皮膚を軟膏やクリーム、ローションなどで保湿し、コーティングします。
そして、荒れた皮膚をステロイドなどの抗炎症剤で治療していきます。
この2つを長期的に根気よく行っていきます。

二見いすず: 分かりました。
話を食物アレルギーに戻しますが、食物アレルギーは、生後どのくらいから発症するのですか?

吉川英樹Dr.: 生後7ヶ月くらいになると離乳食が始まります。
卵や牛乳、小麦など、実は目に見えていなくても空気中を漂っていて台所だけではなく寝室にも飛んでいくんです。

二見いすず: 目には見えないだけで、部屋の中を漂っているんですね。

吉川英樹Dr.: はい。
そのとき、肌が健康な状態なら問題ないのですが、荒れた皮膚に付着した食物が体内に取り込まれると、その食物を敵だとみなしたメカニズムが働き、体の中に抗体をつくるのです。
それでその後、その食べ物を食べたときに、アレルギーを引き起こしてしまうということなんです。

二見いすず:  そういうことなんですね。
よく分かりました。
今月は「子どもの食物アレルギー」についてお伝えしております。
お話は鹿児島県医師会の吉川英樹ドクターでした。
吉川さん、ありがとうございました。

吉川英樹Dr.:  ありがとうございました。