2024.3.23 第1090回放送分『子どもの食物アレルギー』4回目 ゲスト:吉川英樹ドクター
二見いすず: | 今月のドクタートークは「子どもの食物アレルギー」をテーマにお送りいたします。 お話は、鹿児島県医師会の吉川英樹(よしかわ ひでき)ドクターです。 吉川さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
吉川英樹Dr.: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、子どもが食物アレルギーになった場合、治りやすい食べ物と、治りにくい食べ物があるというお話でした。 卵、牛乳、小麦は治りやすく、3歳までには半数の子どもが治るとのことでした。 一方、治りにくい食べ物は、ピーナッツや木の実類、甲殻類、魚卵とのことでした。 今日は何についてお話しいただけますか。 |
吉川英樹Dr.: | 今日は、食物アレルギーはどのように管理するのかについてお伝えいたします。 残念ながら、食物アレルギーを治す薬はありません。 そこで、正しい診断に基づいた、必要最小限の原因となっている食べ物を除去することが原則です。 |
二見いすず: | 必要最小限の除去なんですね。 |
吉川英樹Dr.: | はい。 「念のために」とか「心配だから」といって必要以上に除去する食べ物を増やすことは、おすすめできません。 検査から原因と疑われて除去している場合は、必要に応じてOFCというものを実施し、診断を確定します。 |
二見いすず: | OFCというのは、どういうものでしょうか? |
吉川英樹Dr.: | Oral Food Challengeの略で、食物経口負荷試験と呼ばれています。 たとえば、卵アレルギーと確定しているか、もしくは疑われている場合、卵が含まれる食べ物を、少しずつ量を増やしながら食べていき、「ここまでは食べられる」というラインを判断します。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
吉川英樹Dr.: | はい。まずは卵1gからスタートして、大丈夫だったら2g、これは「クッキー程度なら食べていいよ」という量です。 次は5g、これは「うずらの卵ならOK」という量です。 そして10g、これはハンバーグのつなぎで使う量です。 このようにして、量を少しずつ増やしていき、「その子がどこまで食べて大丈夫なのか」を確認していきます。 |
二見いすず: | 少しずつというのが、大切なんですね。 |
吉川英樹Dr.: | そうですね。OFCをすることで、食物アレルギーの確定診断と、安全な量が分かります。 あと、たとえば牛乳アレルギーの子どもがいた場合、「牛乳は飲めないけれど、牛乳の入ったパンは大丈夫」というように、大丈夫な範囲までは積極的に飲んだり食べたりすることが望ましいとされています。 少しずつ食べれば、治っていく方向になるんですよ。 |
二見いすず: | これが、必要最小限の除去ということなんですね。 |
吉川英樹Dr.: | はい、そうです。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今月は「子どもの食物アレルギー」についてお伝えしています。 お話は鹿児島県医師会の吉川英樹ドクターでした。 吉川さん、ありがとうございました。 |
吉川英樹Dr.: | ありがとうございました。 |