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2024.4.13 第1093回放送分『生活習慣病』2回目 ゲスト:田中康博ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは「生活習慣病と心臓血管病」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島医療センター 院長 田中康博(たなか やすひろ)ドクターです。
田中さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田中康博Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、生活習慣病と高血圧についてお話しいただきました。
生活習慣病は、日常生活できちんと管理できれば予防可能な病気なので、この新年度を機に、ぜひ見直しましょうというお話でした。
田中さん、今日は何についてお話しいただけますか?

 

田中康博Dr: 今日は、動脈硬化についてお伝えします。
突然ですが二見さん。加齢にともなう動脈硬化は、悪者だと思いますか?

 

二見いすず: えっ!? 動脈硬化は悪いものだと思っていましたが、そうではないということなのでしょうか?

 

田中康博Dr: 実は、血管が固くなるだけなら、それほど問題ではないんです。

 

二見いすず: そうなんですか。

 

田中康博Dr: はい。
庭で使うゴムホースで80年100年使用している方がいらっしゃいますか?
人間の血管は、自分で修復するため、120年は使えると言われています。
血管の傷を自分自身で修復することが、動脈硬化の役目の一つです。
しかし、それを邪魔するものがあるんです。

 

二見いすず: それは何なんですか?

 

田中康博Dr: タバコ、高血糖や高コレステロール、肥満などの危険因子と呼ばれるものです。
動脈硬化の修復部位をプラークと言いますが、分かりやすくイメージするために、川の土手を思い浮かべてみてください。
壊れた土手に対してどんな土手で修復するかが問題です。

 

二見いすず: どんな土手があるのですか。

 

田中康博Dr: この土手には、2つ種類があります。
1つは安定している土手。安定プラークと呼ばれますが、これならば、多少の血流の障害はあっても、多少硬くても壊れません。
時々、狭心症、つまり胸の痛みはあるものの、心筋梗塞を絶対に起こさない患者さんもいます。
一方、不安定な土手もあります。
これは不安定プラークと呼ばれ、土手が崩れやすく、つまりプラークが破裂し、血栓ができて血管を塞いでしまいます。

 

二見いすず: ということは、つまり、急性心筋梗塞や突然死につながるということでしょうか?

 

田中康博Dr: 残念ながらそうです。
40代、50代という比較的若い世代でも、急性心筋梗塞で亡くなる方もいらっしゃいます。
特に喫煙者に多いです。「そのうち禁煙する」ではなく、強い意志を持って、スパッと禁煙されることをおすすめします。
また、逆に、脂質や糖の管理や禁煙で、このプラークが消失することも有ります。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は「生活習慣病と心臓血管病」についてお伝えしています。
お話は鹿児島医療センター 院長 田中康博ドクターでした。
田中さん、ありがとうございました。

 

田中康博Dr: ありがとうございました。