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2024.4.20 第1094回放送分『生活習慣病』3回目 ゲスト:田中康博ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは、「生活習慣病と心臓血管病」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島医療センター 院長 田中康博(たなか やすひろ)ドクターです。
田中さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田中康博Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、動脈硬化についてお話しいただきました。
脂質異常症や糖尿病、喫煙などにより、血管の中にプラークができると、血液の流れを阻んだり、時には破裂して突然死にいたることもあるため、注意が必要とのことでした。
今週は何についてお話しいただけますか?

 

田中康博Dr: 今週は、冠動脈疾患についてお伝えします。

 

二見いすず: 冠動脈疾患ですね。
まず、冠動脈というのは、体のどの部分になるのでしょうか?

 

田中康博Dr 文字にすると、「冠に動脈」と書くのですが、心臓を冠のように覆っている血管で、心臓の筋肉に血液を送っています。

 

二見いすず: その冠動脈の病気ということですが、具体的にはどのような病気なのでしょうか?

 

田中康博Dr: 病名だと、狭心症、急性心筋梗塞になります。
これならご存知の方がほとんどではないでしょうか。

 

二見いすず: そうですね。
狭心症と急性心筋梗塞は、それぞれどのような違いがあるのですか?

 

田中康博Dr: まず狭心症ですが、心臓に血液を送っている冠動脈が細くなったり、詰まりかけたりして、一時的に充分に血液が供給されない状態です。
信号機で例えるなら黄色信号でしょう。

 

二見いすず: 痛みは強いのでしょうか?

 

田中康博Dr: 実は、心臓には敏感な神経はないため、痛いというよりも、胸が締め付けられるような感じです。
痛みが点ではないのが特徴で、指先で、「ここが痛い」とピンポイントで指せる場合あるいは左右に偏る場合は、狭心症ではない場合が多いです。
狭心症のときは、手のひらで胸をさするような仕草をとる患者さんが多いです。
時にのどの締めつけ、歯茎が痛い、左肩、腕が痛い、みぞおちの違和感、不快感と訴える方もいます。

 

二見いすず: そうなんですね。

 

田中康博Dr: 5分ほどすると、すっと良くなるのも狭心症の特徴です。

二見いすず: 分かりました。
急性心筋梗塞だと、どのような痛みや症状なのでしょうか?


田中康博Dr: 急性心筋梗塞は、血管が完全につまる状態です。
胸部圧迫感が30分以上続いたり、また冷汗をかいたり、嘔吐したりしていたら、急性心筋梗塞を起こしている可能性が高いです。
信号機で言えば赤信号で、時間との勝負ですので、すぐに救急車を呼んでください。
また、狭心症を経て、心筋梗塞になる方も多いです。
疑わしいときは検査が鉄則です。
様子見をせずに、早めに病院を受診してください。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は「生活習慣病と心臓血管病」についてお伝えしています。
お話は鹿児島医療センター 院長 田中康博ドクターでした。
田中さん、ありがとうございました。

 

田中康博Dr: ありがとうございました。