2024.4.27 第1095回放送分『生活習慣病』4回目 ゲスト:田中康博ドクター
二見いすず: | 今月のドクタートークは「生活習慣病と心臓血管病」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島医療センター 院長 田中康博(たなか やすひろ)ドクターです。 田中さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
田中康博Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、冠動脈疾患についてお話しいただきました。 冠動脈が細くなったり、詰まりかけていたりすると、心臓への血液の供給が少なくなり、狭心症になるおそれがあるとのことでした。 最終週の今日は、何についてお話しいただけますか? |
田中康博Dr: | 今日は、冠動脈疾患の治療についてお伝えいたします。 冠動脈疾患の治療では、カテーテル治療や冠動脈バイパス手術などが行われます。 |
二見いすず: | カテーテル治療と、冠動脈バイパス手術ですね。 それぞれどのような治療なのですか? |
田中康博Dr: | 冠動脈のカテーテル治療は、カテーテルと呼ばれる、とても細い管を手首や足の付け根の血管から挿入して行われます。 この細い管を通して、ステントと呼ばれる金属製の筒のようなものを挿入し、バルーンで拡げる手術です。 こうすることで血流を改善させます。 |
二見いすず: | ステントと呼ばれる筒状のものは、そのまま血管の中に残しておくということですね。 |
田中康博Dr: | はい、そうです。 カテーテル治療は、患者さんへの体の負担が少なく、入院も短くて済むのが特徴です。 |
二見いすず: | 分かりました。 続いて、冠動脈バイパス手術について教えてください。 |
田中康博Dr: | 冠動脈バイパス手術は、心臓以外の部位に行っている血管を冠動脈に繋いだり、手や足などの血管を取ってきて、つなぐこともあります。 |
二見いすず: | 手や足から!ちょっと想像もつきません! |
田中康博Dr: | そうかもしれないですね。 冠動脈は細く人工血管が使えないため、自分自身の血管をバイパスの材料として使わざるを得ないのが現状です。 細い人工血管ができると良いですね。 2週間前の動脈硬化の放送のときにお伝えした、プラークというのを覚えていますか? |
二見いすず: | はい。 血管内に土手のようなものができるのが、プラークですよね。 プラークができると、血液の流れが阻まれるというお話でしたよね。 |
田中康博Dr: | そうです。 このプラークが固くてステント単独では拡がらない、あるいはバイパスが掛けられない場合はドリルみたいに削りながらプラークを薄くして、先ほどの金属製の筒、ステントを入れるという治療法もあります。ロータブレーターと言います。 ただし、この治療法は十分な体制が整っていないと難しいです。 患者さんはみなさん、いい治療を受ける権利があるので、最新で最高レベルの治療を受けることをおすすめしたいです。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今月は「生活習慣病と心臓血管病」について、鹿児島医療センター 院長 田中康博ドクターに貴重なお話をしていただきました。 田中さん、4週にわたり、ありがとうございました。 |
田中康博Dr: | ありがとうございました。 |