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2024.5.4 第1096回放送分『がん領域』1回目 ゲスト:大塚隆生ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「膵臓がん」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会 大塚隆生(おおつか たかお)ドクターです。
大塚さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

大塚隆生Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 早速ですが、膵臓がんは数あるがんの中でも、見つけることが難しく、手ごわいという印象があります。

 

大塚隆生Dr: そうですね。
たとえば胃がんや乳がんならば、年に1回検診を行えば、早期発見につながる可能性が高いと言われていますです。
しかし膵臓がんは検診の方法がなく、早く見つけることが難しい病気です。
そこで、リスクの高い人を見つけて検査していくことになります。

 

二見いすず: どのような人たちが、リスクが高いとみなされるのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: 糖尿病の患者さんはリスクが高いと言われていますです。
しかし、それだと対象が広すぎます。
だからまずは、症状が出てきた人を診断するということが多いです。
あとは、健康診断や超音波などで、「膵臓に“のう胞”という袋がある」と言われたらリスクが高いと言われていますです。

 

二見いすず: 一つずつお聞きしていきますが、まずは、「症状が出てきた場合」というのは、具体的にどのような症状でしょうか?

 

大塚隆生Dr: 腹痛、食欲不振、体重の減少、背中の痛み、そして黄疸です。

 

二見いすず: 黄疸。
皮膚が黄色くなる症状ですよね?

 

大塚隆生Dr: はい。
日本人だと皮膚よりも、白目で判断した方が分かりやすいかもしれません。
ただし、この黄疸が出てきたときは、だいぶ進行していると考えられます。

 

二見いすず: そうなんですね。
あと、「膵臓に袋がある」ということについても、もう少し詳しく教えていただけますか。

 

大塚隆生Dr: 袋自体がすぐ最初にがんになるわけではなく、別のところががんになります。
しかし袋の部分もいずれ、がんになります。

 

二見いすず: はい。

 

大塚隆生Dr: 膵臓に袋ができた人ががんになるのは、100人を5年間診ていて、2人いる割合です。
膵臓がんは1万人に3人くらいの割合でなるので、見つけづらい膵臓がんの中では、比較的がんを見つけやすいのではと思われます。

 

二見いすず: そうなんですね。
では健康診断などで、「膵臓に袋がある」と言われたら、すぐにでも専門医に診てもらった方がいいですね。
ちなみに遺伝的なものはあるのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: 家族性に起こることもあって、がんそのものの遺伝を引き継ぐわけではないでこともありますが、多くは体質や生活環境が似ているので、一部遺伝することはあるかもしれませんるために起こるとかんがえられています。

 

二見いすず: はい。

 

大塚隆生Dr: 残念ながら、鹿児島県は膵臓がんでお亡くなりになる方が全国的にも多いです。
そしてこれは県内に限ったことではないですが、膵臓がんの患者さんは、高齢者に多いです。

 

二見いすず: 分かりました。
今月は、「膵臓がん」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会 大塚隆生ドクターでした。
大塚さん、ありがとうございました。

 

大塚隆生Dr:  ありがとうございました。