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2024.5.11 第1097回放送分『がん領域』2回目 ゲスト:大塚隆生ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「膵臓がん」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会 大塚隆生(おおつか たかお)ドクターです。
大塚さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

大塚隆生Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、膵臓がんは見つけにくいがんではあるものの、黄疸や腹痛などの症状がある人、または健康診断などで「膵臓に袋がある」と言われた人は、すぐに専門医に診てもらったほうがいいというお話でした。
大塚さん、そもそも膵臓にはどのような働きがあるのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: 膵臓はおたまじゃくしのような形をしていて、胃の裏側にあります。
働きとしては、消化液である膵液をつくります。
これのおかげで、私たちはお肉や脂をおいしく食べることができるんですよ。

 

二見いすず: そうなんですね。

 

大塚隆生Dr: もう1つ働きがあって、血液中の糖分の量を調節するホルモンをつくっています。

 

二見いすず: 普段なかなか意識することのない膵臓ですが、生活する上、生きていく上で、とても大切なんですね。
さて、膵臓がんに話を戻しますが、今日は検査についてお聞きしたいと思います。
先週、膵臓がんが疑われる場合として、黄疸や腹痛などの症状が出る、あとは健康診断などで指摘されることが多いもあるというお話でした。

 

大塚隆生Dr: はい。
血液検査や超音波検査などを経て、CT検査でがんの大きさや位置の確認、MRI検査で転移の有無を確認したりします。
さらに超音波内視鏡で腫瘍の細胞を取り、病理医が精査します。
画像検査に加えて、この検査をすることで、正確な診断ができるとともに、切除可能かどうかなど、ステージを確定させていきます。

 

二見いすず: そうなんですね。

 

大塚隆生Dr: いずれのステージにおいても、がんの初期から支持・緩和療法を行っていきます。

 

二見いすず: 具体的にはどのようなことをするのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: 精神的なケア、食事療法、運動療法、痛みのケア、薬の副作用への対応などが支持・緩和療法に入ります。

 

二見いすず: はい。
先ほどステージのお話が出ましたが、膵臓がんにおいて、切除可能なステージはどのあたりまでなのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: がんが周りに浸潤していないステージ0と、浸潤しているけれども小さい、ステージ1は切除可能です。
しかしこの段階でがんと分かるのは、膵臓がん全体の5%未満と少ないのが現状です。
ステージ2になるとも見た目には切除可能なものとなのですが、手術のみでは肉眼では見えない組織学的にがんが残ってしまう可能性が高いものとが混在してきます。

 

二見いすず: 分かりました。
今月は、「膵臓がん」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会 大塚隆生ドクターでした。
大塚さん、ありがとうございました。

 

大塚隆生Dr: ありがとうございました。