Loading...

2024.5.25 第1099回放送分『がん領域』4回目 ゲスト:大塚隆生ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「膵臓がん」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会 大塚隆生(おおつか たかお)ドクターです。
大塚さん、最終週もどうぞよろしくお願いいたします。

 

大塚隆生Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、膵臓がんが切除不能とされているステージ3、ステージ4の治療についてお話しいただきました。
基本的には化学療法や化学放射線療法での治療になりますが、これらの治療を一定期間行った結果、外科的手術ができるようになるケースもあるということでした。
今日は何についてお話しいただけますか?

 

大塚隆生Dr: 今日は、手術についてお伝えします。

 

二見いすず: 手術ができるのは主に、ステージ0、ステージ1、ステージ2の患者さんになると思いますが、どのような手術を行うのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: 手術は、がんができた場所によって、大きく3種類あります。

 

二見いすず: がんができた場所ですね。
そういえば、膵臓はおたまじゃくしのような形をしているとうかがいました。
以前おっしゃっていましたね。

 

大塚隆生Dr: はい。
そのおたまじゃくしの頭の部分を取る手術、尻尾の部分を取る手術、そして全部を取る手術の3種類です。
手術の7割が、頭の部分を取る手術になります。

 

二見いすず: 膵臓の全てを取ってしまった場合、膵臓の機能がなくなってしまいますよね。

 

大塚隆生Dr: 人工膵臓がもありますが、なるべく全摘は避けたいところです。
全摘の場合と、頭の部分を取る手術の場合は、術後の栄養状態の悪化が懸念されるため、適切な栄養管理がとても重要になってきます。
またインスリン補充療法も行うなど、術後もしっかりと治療を続けていくことが必要です。

 

二見いすず: そうなんですね。
ちなみに膵臓は胃の裏側にあるということですが、やはり開腹手術になるのでしょうか?

 

大塚隆生Dr: 進行度で変わります。
開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット手術などさまざまです。ステージ0やI、尻尾を切除する場合に腹腔鏡手術やロボット手術でできる可能性があります。
日本膵臓学会の診療ガイドラインでは、膵臓がんは、手術症例数の多い病院での外科的治療が推奨されています。

 

二見いすず: どのくらいだと、「症例数が多い」という目安になりますか?

 

大塚隆生Dr: 年間で30から50ほどの症例数があると、膵臓がんの手術に慣れている病院といえるでしょう。
また、化学療法も併せて行うことから、内科の先生との連携も大切です。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は、「膵臓がん」をテーマに鹿児島県医師会 大塚隆生ドクターに、貴重なお話をしていただきました。
大塚さん4週にわたり、どうもありがとうございました。

 

大塚隆生Dr: ありがとうございました。