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2024.6.15 第1102回放送分『熱中症』3回目 ゲスト:奥田龍一郎ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島市立病院救命救急センター
奥田龍一郎(おくだ りゅういちろう)ドクターです。
奥田さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

奥田龍一郎Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、熱中症になる環境的要因について教えていただきました。
気温、湿度、輻射熱の3つの要素をもとに算出された、「暑さ指数」が28をこえると、熱中症になる危険性が急激に高まるため、注意が必要ということでした。
さらに「熱中症警戒アラート」をはじめ、熱中症に関する情報をきちんと把握しておくことが大切というお話でした。
あと真夏だけではなく、暑さに体が慣れていない今の時期から、注意と対策が必要ということでした。
今日は何について教えていただけますか。

 

奥田龍一郎Dr: 今日は、熱中症の症状についてお伝えいたします。
まず、症状の軽いものからです。
軽症だと、めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りなどの症状がみられます。

 

二見いすず: このような軽症の場合は、まだ医療機関は受診せずに周りの人たちが見守るということで大丈夫でしょうか?

 

奥田龍一郎Dr: はい。
通常は現場の応急処置と見守りで大丈夫です。
涼しいところで休み、体を冷やし、しっかりと水分を補給してください。
そして軽症以上の症状である、頭痛や嘔吐、倦怠感、判断力の低下や軽い意識障害が出てきたときは、迷わず救急車を呼んでください。

 

二見いすず: 分かりました。
これよりさらに重度になると、どのような症状が出てくるのでしょうか?

 

奥田龍一郎Dr: さらに重度になると、強い意識障害、痙攣、脳や肝臓、腎臓などの内蔵機能の障害がみられます。

 

二見いすず: 重度になると、かなり危険ということが分かりますね。

 

奥田龍一郎Dr: そうですね。
しかし先ほどお伝えした軽症の場合でも、「大丈夫」と安易に考えてはいけないケースがあるので、注意が必要です。

 

二見いすず: それはどのような場合ですか?

 

奥田龍一郎Dr: 例えば、軽い立ちくらみがしたとしましょう。
そしてその日が暑いと、自分自身で勝手に、「軽い熱中症かもしれない」と決めつけがちです。

 

二見いすず: 確かに暑い日にそのような症状が出たら、「これは熱中症だ」と勝手に判断してしまうかもしれないですね。

 

奥田龍一郎Dr: はい。
しかし、もしかしたら別の病気という可能性もあります。
まずは涼しい場所で水分補給して、それでも、だるさやめまいなどの症状が残っていたら熱中症以外の可能性もあるため、かかりつけ医に診てもらうことをおすすめします。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は熱中症についてお送りしています。
お話は鹿児島市立病院救命救急センター 奥田龍一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

 

奥田龍一郎Dr: ありがとうございました。