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2024.6.22 第1103回放送分『熱中症』4回目 ゲスト:奥田龍一郎ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「熱中症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島市立病院救命救急センター
奥田龍一郎(おくだ りゅういちろう)ドクターです。
奥田さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

奥田龍一郎Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、熱中症の症状についてお話しいただきました。
重症度によって症状は変わり、頭痛やだるさ、吐き気や嘔吐、判断力の低下や軽い意識障害が出てきたら救急車を呼ぶこと。
一方で、軽症である、めまいや立ちくらみなどであっても、別の病気である可能性もあるため、まずは涼しい場所で水分補給して、なおも症状が残っていたら、かかりつけ医を受診しましょうということでした。
軽症の場合ですが、水分補給以外にはどのような応急処置をするのが理想的でしょうか?

 

奥田龍一郎Dr: 水分補給と同時に塩分補給もするようにしてください。

 

二見いすず: それは、お水に塩を入れて飲むようにすればいいですか?

 

奥田龍一郎Dr: はい。
塩は、ひとつまみ程度でいいです。
ただ、できれば経口補水液が望ましいので、夏場は自宅や職場、部活動をする場所などに用意しておくと、万が一のときにも安心です。

 

二見いすず: 分かりました。
軽症以上の場合は、救急車を呼ぶとのことでしたが、救急で運ばれてきたら、どのような治療をするのでしょうか?

 

奥田龍一郎Dr: 運ばれてくる患者さんは脱水状態で体温が高いので、まず点滴をして体内の水分を増やします。
そして体温を下げるために、皮膚に霧吹きで水をかけて、扇風機で風を当てていきます。

 

二見いすず: 皮膚に霧吹きで水をかけて、扇風機で風を当てるというのは、自宅や職場、学校などでもできる処置なので、覚えておくといいですね。

 

奥田龍一郎Dr: そうですね。
また、アイスバスといって、氷が入った水風呂で患者さんを冷やす治療もあります。これだと冷却速度が速いです。
また血管内冷却カテーテルといって、カテーテルの周辺に風船が3つほど付いているものがあり、その風船の中を水が循環するものがあります。
これだと血液の温度を直接下げることができます。
体の大きい方などは、熱の下がり方が遅いので、こういった治療を適用することがあります。

 

二見いすず: 体を冷やすのにも、いろんな方法があるんですね。

 

奥田龍一郎Dr: はい。
基本的には点滴での水分補給と体を冷やす治療を行い、さらに脳や肝臓、腎臓といった重要な内蔵がダメージを受けている場合は、個別に治療していきます。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は熱中症についてお送りしています。
お話は鹿児島市立病院救命救急センター 奥田龍一郎ドクターでした。
ありがとうございました。

 

奥田龍一郎Dr: ありがとうございました。