Loading...

2024.7.6 第1105回放送分『感染症』1回目 ゲスト:西順一郎ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「感染症」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会 西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 早速ですが、今日は何についてお話しいただけますか?

 

西順一郎Dr: 今日は、最近の新型コロナウイルスの状況についてお伝えします。

 

二見いすず: じわじわとまた増えているような感じを受けますが・・・

 

西順一郎Dr: そうなんです。
4月の半ばから奄美や沖縄で増え始め、その影響からか鹿児島県本土でも急に増えてきました。
全国でも増加傾向です。

 

二見いすず: 今の新型コロナウイルスは、どのような株なのでしょうか?

 

西順一郎Dr: オミクロン株の一種で、JN.1とその関連株です。
免疫を回避する力が強く、以前感染した人も、再感染している状況です。
アメリカでは、9割の人がすでにコロナに感染しているのですが、日本ではまだ6割程度です。
特に高齢者の4人に3人は未感染です。
したがって日本ではこれからも流行を繰り返すおそれがあります。

 

二見いすず: そうなんですね。
症状はどのようなものが出るのでしょうか。

 

西順一郎Dr: 発熱や倦怠感がみられ、咽頭痛が強く、かかるとかなりきついです。
しかしほとんどの方は自然と治ります。
今でも高齢者や基礎疾患のある方では肺炎がみられ、重症者や死亡者がみられています。
去年の5月に5類になってから11月までの7か月間でおよそ16,000人が新型コロナ関連で死亡しています。

 

二見いすず: インフルエンザと比べて亡くなる方は多いのでしょうか?

 

西順一郎Dr: インフルエンザだと1シーズンで多くて1万人くらいですので、それよりかなり多いです。
高齢者にとってはインフルエンザより重症化しやすく、やはり「ただの風邪ではない」ということを、引き続き心に留めておいていただきたいです。

 

二見いすず: そうですね。
5類になって以降、飲み会や旅行など、コロナ前と同じような生活に戻ってきたのでつい油断しがちですが、感染対策は必要ですね。

 

西順一郎Dr: はい。
特に換気は大切です。
換気施設が整っていない場所では、窓やドアを2ヶ所以上開けるようにしてください。
マスクについては、以前のようにずっとつけておく必要はありません。
外を歩いているときはもちろん、学校や職場でも基本的には不要です。
ただバスや電車などの交通機関で密集するときは着けたほうが良いと思います。
また、少しでも喉に違和感があるときは、マスクをつけて周囲の人にうつさないように配慮してください。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は、「感染症」をテーマにお送りしてまいります。
お話は、鹿児島県医師会 西順一郎ドクターでした。
西さん、ありがとうございました。

 

西順一郎Dr:  ありがとうございました。