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2024.7.27 第1108回放送分『感染症』4回目 ゲスト:西順一郎ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「感染症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会 西順一郎(にし じゅんいちろう)ドクターです。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 今週は何についてお話しいただけますか?

 

西順一郎Dr: 今週は、小学校6年から高校1年に定期接種になっている子宮頸がん予防のためのヒトパピローマウイルスワクチンについてお伝えします。

 

二見いすず: 最近、テレビコマーシャルなどでも、子宮頸がん予防ワクチンについて目にすることがあります。

 

西順一郎Dr: はい。
定期接種の接種期間がすぎても無料で受けられる接種、いわゆるキャッチアップ接種が今年度で終了予定です。
3回接種しますので、遅くても9月には1回目を接種しなければ、最後の接種が有料になってしまいますのでご注意ください。

 

二見いすず: この無料で受けられるキャッチアップ接種は、どういった方が対象なのでしょうか?

 

西順一郎Dr: 平成9年度から平成19年度生まれ、現在16歳から27歳の女性が対象です。

 

二見いすず: どうしてこの期間に生まれた女性が対象なのでしょうか?

 

西順一郎Dr: ヒトパピローマウイルスワクチンは2013年に定期接種になったのですが、副反応の問題で2023年3月まで9年間事実上ストップしていたため、この年齢で接種していない方が多いからです。
しかしその後の調査で安全性に問題ないことが明らかになっていますので、安心して接種してください。

 

二見いすず: 分かりました。
改めて、ヒトパピローマウイルスワクチンについて詳しく教えていただけますか。

 

西順一郎Dr: ヒトパピローマウイルスは性交渉で感染して、10年くらいの経過で子宮頸がんを発症するため、性交渉が始まる前に接種するのが望まれます。

 

二見いすず: 子宮頸がんになる年代というのは、どのくらいが多いのでしょうか?

 

西順一郎Dr: ピークは40代です。
1年間に国内でおよそ2800人が子宮頸がんで亡くなっています。

 

二見いすず: 40代。その年代でお亡くなりになる方が多いのはショックですね。

 

西順一郎Dr: ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんだけではなく、中咽頭癌、肛門がん、陰茎がんなどの原因になりますので、女性だけでなく男性にも有効です。
任意接種ですが男性も接種することができ、海外では男女ともに接種されています。

 

二見いすず: そうなんですね。
子宮頸がん予防と思っていると、「男性は関係ない」と、つい思ってしまいがちですね。

 

西順一郎Dr: そうなんです。
「ヒトパピローマウイルス関連がん予防ワクチン」と呼んだ方がよいですね。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は、「感染症」をテーマに鹿児島県医師会 西順一郎ドクターに貴重なお話をしていただきました。
西さん、ありがとうございました。

 

西順一郎Dr: ありがとうございました。