2024.8.10 第1110回放送分『小児科領域』2回目 ゲスト:鈴東昌也ドクター
二見いすず: | 今月のドクタートークは 「子どもの疾患」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島県医師会 鈴東昌也(すずひがし まさや)ドクターです。 鈴東さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
鈴東昌也Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、子どもの脱水についてお話しいただきました。 大量の汗をかくこの時期は、ふだん以上に子どもが脱水していないか、気をかけことが大切であること。 また汗以外でも、嘔吐や下痢の場合も脱水に注意が必要とのことでした。 今日は何についてお話しいただけますか。 |
鈴東昌也Dr: | 今日は、子どもの腹痛についてお伝えします。 |
二見いすず: | はい。 子どもってよく、「おなかが痛い」と言いますよね。 |
鈴東昌也Dr: | そうなんです。 腹痛の原因として頻度が高いのが、まず便秘です。 |
二見いすず: | 便秘ですか!ちょっと意外でした。 |
鈴東昌也Dr: | あとは胃腸炎や急性虫垂炎いわゆる盲腸、これも多いです。 特に虫垂炎では子どもは腸の壁が薄いので、破れたりして腹膜炎になりやすいんです。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
鈴東昌也Dr: | 先週もお伝えしましたが、子どもは症状をうまく親に伝えることができません。 特に乳児だと「おなかが痛い」と言うことすらできません。 でも親御さんは、「うちの子、おなかのあたりが痛そうだ」と気づくことはできます。 そのとき、急激に痛くなってきた場合は、緊急を要することがあるので、必ず受診するようにしてください。 |
二見いすず: | 急激に痛くなったら受診!これはしっかりと覚えておきたいですね。 |
鈴東昌也Dr: | はい。 中でも特に3歳未満のお子さんで、激しく泣いたり泣き止んだりを繰り返しているお子さんは、腸重積症に注意が必要です。 |
二見いすず: | 腸重積症とは、どういう状態なんでしょうか? |
鈴東昌也Dr: | 腸重積症は、腸の中に腸がはまりこんでしまって、閉塞している状態です。 この場合、高圧浣腸という方法を勧めます。 腸に造影剤を注入し、はまり込んだ腸を押して元に戻します。 |
二見いすず: | 「腸の中に腸がはまりこむ」と聞いただけで、かなり痛そうなのが伝わってきますね。 |
鈴東昌也Dr: | そうですよね。 ひとことで「おなかが痛い」と言っても、今お伝えした病気以外にもたくさんあります。 だからまずは受診することが大切なんです。 私たち医師も、症状から何を疑うか鑑別していき、確定して治療にのぞんでいます。 |
二見いすず: | よく分かりました。 子どもはよくおなかが痛くなるものですが、親御さん含め周りの大人たちは、まずその痛みに気づいてあげること。 そしてきちんと受診させることが大切なんですね。 今月は、「子どもの疾患」をテーマにお送りしています。 お話は、鹿児島県医師会 鈴東昌也ドクターでした。 鈴東さん、ありがとうございました。 |
鈴東昌也Dr: | ありがとうございました。 |