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2024.8.17 第1111回放送分『小児科領域』3回目 ゲスト:鈴東昌也ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「子どもの疾患」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会 鈴東昌也(すずひがし まさや)ドクターです。
鈴東さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

鈴東昌也Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は、子どもの腹痛についてお話しいただきました。
子どもはよく「おなかが痛い」と言いますが、子どもは症状をうまく親に伝えることができません。
また乳児だと自分で伝えることもできないため、親御さん含め周りの大人たちは、まずその痛みに気づいてあげること。
そして急激に痛むようなら、必ず受診することが大切ということでした。
今週は何についてお話しいただけますか。

 

鈴東昌也Dr: 今週は、子どもの嘔吐と下痢についてお伝えします。
大半は、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルス性胃腸炎の場合が多いのですが、もちろん私たち医師はあらゆる可能性を考えながら、診断をつけていきます。
このとき、「下痢はないけど、嘔吐だけある」という場合は、注意が必要です。
この場合、胃腸炎以外の疾患の可能性があります。

 

二見いすず: たとえばどのような疾患ですか?

 

鈴東昌也Dr: 便秘や先週お伝えした腸重積症などですが、中には、胃腸炎だと思ったら脳腫瘍だったというケースもあります。

 

二見いすず: 脳腫瘍。
それは怖いですね。

 

鈴東昌也Dr: はい。
また、嘔吐の中には、緊急手術が必要なときもあります。
嘔吐したものの色などで緊急性があるかどうか分かることもあります。

 

二見いすず: そうなんですね。

 

鈴東昌也Dr: だから親御さんには、「吐いたものをスマートフォンで撮影して病院にもってきてください」とお伝えしたいです。

 

二見いすず: ああ!それならドクターにも分かりやすく伝えられますね。

 

鈴東昌也Dr: はい。
吐いたものが透明や食べたものの色なら、それほど気になりませんが、嘔吐したものが黄色から濃い緑色の場合は、胆汁性嘔吐と言って腸の閉塞などを疑います。

 

二見いすず: 黄色から濃い緑色。
このような色の場合は、すぐに病院に行くことを覚えておきたいですね。
ところで、赤ちゃんはよく吐くことがありますが、これはどうしてなんでしょうか?

 

鈴東昌也Dr: 赤ちゃんの胃は大人の胃と違ってカーブがなく、入り口の締まりも緩いため、吐きやすくなります。
赤ちゃんは空気と一緒にミルクを飲むため、吐き気がして吐いているわけではありません。
ゲップとして出るのは正常です。
体重が増えている分には問題ないですが、噴水のように吐いたり、体重が減っているときは、すぐ受診するようにしてください。
体重や赤ちゃんのご機嫌は、ひとつの目安になるかと思います。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は、「子どもの疾患」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会 鈴東昌也ドクターでした。
鈴東さん、ありがとうございました。

 

鈴東昌也Dr: ありがとうございました。