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2024.8.31 第1113回放送分『小児科領域』5回目 ゲスト:鈴東昌也ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは
「子どもの疾患」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会 鈴東昌也(すずひがし まさや)ドクターです。
鈴東さん、最終週もどうぞよろしくお願いいたします。

 

鈴東昌也Dr: よろしくお願いいたします。

 

二見いすず: 先週は子どもの血便についてお話しいただきました。
その中で、切れ痔による血便も多く、その原因となっているのが便秘ということでした。
便秘は子どもの腹痛の原因の中でも上位にあり、今日は子どもの便秘について、詳しくお伺いします。
まずは、どのくらいの頻度だと便秘といえるのでしょうか?

 

鈴東昌也Dr: 3日に1回くらいだと便秘です。
実は親御さんが便秘だと、「3日に1回の便が普通」だと思ってしまい、子どもの便秘に気づかないこともあるので、注意が必要です。
また赤ちゃんのときは親も便をチェックできますが、小学生になると、便を見ることもほぼなくなります。
そのため治療が遅れてしまうケースが多いんです。

 

二見いすず: そうなんですね。
どのくらいの子どもたちが便秘で悩んでいるのでしょうか。

 

鈴東昌也Dr: 約2割といわれているので、30人のクラスだと、5、6人の子どもたちが便秘だと推測されます。

 

二見いすず: 結構多いんですね。

 

鈴東昌也Dr: はい。
理想的な便はバナナくらいのやわらかさです。
硬いとコロコロとした便になります。
2、3歳の子どもが3、4日に1回、こうしたコロコロとした便を顔を真っ赤にして出すと、便秘の可能性が高いです。
また、1、2歳の子どもが足をクロスしてお尻を締めるようなポーズで顔を真っ赤にしている場合も、便秘の可能性があります。

 

二見いすず: 便の形や硬さ、そして子どもの顔やしぐさなどでも、便秘かどうか、ある程度予測できそうですね。
ところで、便秘の治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

鈴東昌也Dr: 便を直接出す浣腸や下剤、あと食物繊維を摂ることも大切です。
そしてもう1つ注意していただきたいのが、かくれ便秘についてです。

 

二見いすず: かくれ便秘!?これはどういう状態なんですか?

 

鈴東昌也Dr: かくれ便秘とは、便自体は毎日出ているものの、硬い便が蓋をしており、わきの方から下痢が出ている状態です。
一応毎日出るので、「自分は便秘じゃない」と思ってしまうところが厄介で、注意が必要です。

 

二見いすず: そうなんですね。

 

鈴東昌也Dr: 便秘は治療開始が遅れるほど、症状の持続期間や治療期間も長くなります。
また、便秘になるとQOLも低下するので、便秘に早めに気づき、早めの治療をすることが大切です。

 

二見いすず: よく分かりました。
今月は、「子どもの疾患」をテーマに鹿児島県医師会 鈴東昌也ドクターに貴重なお話をしていただきました。
鈴東さん、5週にわたり、ありがとうございました。

 

鈴東昌也Dr:  ありがとうございました。