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2024.9.7 第1114回放送分『精神科(自殺)』1回目 ゲスト:春日井基文ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは9月10日から16日が自殺予防週間ということで、「命を守るゲートキーパー」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会 春日井基文(かすがい もとふみ)ドクターです。
春日井さん、どうぞよろしくお願いいたします。
春日井基文Dr: よろしくお願いいたします。
二見いすず: 今月のテーマ、「命を守るゲートキーパー」ですが、この「ゲートキーパー」という言葉を初めて耳にするという方も多いと思います。
まずは、こちらについて教えていただけますか。
春日井基文Dr: はい。
ゲートキーパーというのは、何かしら悩みを抱えている人に気づき、声をかけ、話を聴き、必要な支援につなげて、見守る。
そうすることで自殺防止につなげる。
そういった対応を行う人のことをゲートキーパーと言います。
二見いすず: つまり、春日井さんのような専門家だけというわけではなく、悩んでいる人の身近な家族や同僚、友人なども、ゲートキーパーになれるということでしょうか。
春日井基文Dr: そうですね。
専門性の有る無しは、関係ありません。
特別な資格がいるわけではないので、どなたにでもなっていただきたいです。
二見いすず: 分かりました。
コロナ禍では、特に若い女性の自殺が増えたというニュースに触れましたが、現在はどのような状況なのでしょうか?
春日井基文Dr: 最近の数年間をみると、自殺者数は、全国では2万を超え、鹿児島県においては250人を超える状況が続いています。
二見いすず: 胸が痛みますね。
年代によって理由も変わると思いますが、いかがですか。
春日井基文Dr: 年代に関わらず、自殺の多くは、健康問題、家庭問題、経済問題などの要因が複合的に連鎖することで起こりますが、それぞれの年代に特有の出来事も大きく影響します。
例えば、高齢者では身体的不調や親しい人が亡くなるなどの喪失感や孤立、10代では学業不振やいじめなどの学校での悩み、若い女性では妊娠・出産・育児におけるうつ状態があります。
また、10代から30代の死因の第1位が自殺であることは深刻な問題です。
二見いすず: 10代から30代の死因で最も多いのが自殺というのは、とてもショッキングですね。
春日井基文Dr: そうですね。
悩みを抱えた人は、「人に悩みを言えない」、「どこに相談したらいいか分からない」、「どのように解決したらいいか分からない」などの状況に陥りやすいんです。
二見いすず: はい。
春日井基文Dr: そのため、誰にも相談できず、適切な支援を受けられないままに、自殺に追い込まれてしまうことがあります。
二見いすず: そうならないために、ゲートキーパーの存在がとても大切になってくるんですね。
今月は、「命を守るゲートキーパー」をテーマにお送りしてまいります。
お話は、鹿児島県医師会 春日井基文ドクターでした。
春日井さん、ありがとうございました。
春日井基文Dr:  ありがとうございました。