健康トピックス |
歯みがきしているのに-子どものむし歯-
歯みがきだけでは防げません
「歯が生えはじめたときから、毎日寝る前に乳幼児の歯ブラシでちゃんとみがいてあげているにに、いつの間にかむし歯になってしまった」と、嘆いているお母さんの声をよく耳にします。実は「歯みがきでむし歯は100パーセント防げる」という考えは誤解なのです。
むし歯の3大原因とは
むし歯菌の温床となる歯垢を歯みがきで取り除くことはもちろん大切ですが、むし歯菌を定着させるのは、いわゆる”甘いもの”、糖分のとり過ぎも大きな原因なのです。むし歯菌が糖を酸に変え、その酸が乳歯や生えたばかりの永久歯など、質の弱い歯のエナメル質を溶かしてむし歯をつくってしまいます。つまり、糖、歯の質、むし歯菌がむし歯の3大原因なのです。糖質をとり過ぎない、歯の弱い赤ちゃんにはフッ素を歯に塗布したりして歯を強くする、そして歯みがきでむし歯菌の巣くう歯垢をとる、この3つのどれが欠けてもむし歯をくい止めることはできないのです。
上が間食をしない場合、下が毎日アメを間食として250gとった場合 (歯垢をわかりやすくするため染色 してあります ) |
イオン飲料は病気のときだけに・・・
最近、むし歯菌とかかわりなく、直接歯を溶かしてむし歯をつくっているとして注目されているのがイオン飲料水で、発熱などがきっかけで子どもに飲ませはじめることが多いものです。イオン飲料に含まれている酸はジュースなどと同じように強く、哺乳びんで時間をかけて飲む乳幼児は、ちょうど歯を酸に漬けっぱなしにしているような状態になってしまいます。イオン飲料は漫然と与えず、病気のときだけ与えるようにしたいものです。
乳歯の直接脱灰(哺乳びんむし歯)
指導:東京歯科大学衛生学助教授 眞木 吉信
企画:日本医師会
協賛:第一製薬