健康トピックス  
    
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎
◎赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の特徴
 赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、赤いブツブツ(直径1センチ以内の小さな
盛り上がりで、水っぽい場合もある)、皮膚の発赤(赤くなる)、フケのようにボロ
ボロむけてくる、などの皮膚症状があります。顔と頭によく見られますが、胸や腹、
さらに背中や手足にまで広がることもよくあります。とてもかゆく、赤ちゃんの場合、
引っかき傷や、すれてできた傷などがその証拠になります。
 生後2ヵ月以内の赤ちゃんの場合、アトピー性皮膚炎と乳児脂漏性皮膚炎との区別
が問題になりますが、乳児脂漏性皮膚炎の炎症は眉毛や頭髪部に限定され、黄泥色の
厚いカサブタのある赤い盛り上がりが特徴です。
◎何が原因なのでしょうか?
 原因となるアレルゲンとしては食物やダニがあげられます。生後2ヵ月前後(離
乳前期)から生後6ヵ月(離乳期)では食物が原因と考えられ、1歳前後(離乳後期)
に発症した場合には、さらにダニの影響も考える必要があります。またこの時期は皮
膚が未発達なので、皮膚どうしがこすれたり、衣服によるちょっとした非アレルギー
性の刺激が原因になることもあります。
◎親はどう対処したらよいのでしょうか?
 や半端な知識による自己流の治療は、結果的に治るのを遅らせたりするもとです。
赤ちゃんはまだ生活圏が小さいため、アレルギー性、非アレルギー性を問わず対処がし
やすく、治療効果も上がりますから、皮膚科医であれ、小児科医であれ、かかりつけの
医師によく相談して治療を受けるようにしましょう。
 また、食物アレルギーがある場合には、母乳が最も大切な時期である生後3ヵ月まで
はお母さんも食べ物に気をつけましょう。しかし3ヵ月以後で、米や小麦などの穀物の
アレルギーがある場合には、母親が自分の食事対策をしながら育児をするのは大変なの
で、低アレルゲンミルクの活用をおすすめします。
 そのほかに入浴やシャワーなどでスキンケアを心掛け、刺激の少ない衣服や布団にし
たり、ダニやかびを寄せつけないためにもまめに掃除をする、などが赤ちゃんのアトピ
ー性皮膚炎を悪化させないポイントです。 


日医ニュース(24時間の医学No.590)
指導・横浜市立大学医学部附属浦舟病院 皮膚科助教授 池澤 善郎