健康トピックス |
老化を防ぐ!「たばこの害」
◎たばこの老化促進作用とは?喫煙が人体に対して悪影響を与えるのは、ご存じのようにニコチン、一酸化炭素、 タール、刺激性の有害化学物質が主な原因です。ニコチンは全身の抹梢血管の血流を悪 くし、血圧を高めて心臓に負担をかけます。一酸化炭素は赤血球中のヘモグロビンと結 合して体内を酸素欠乏の状態にしますし、タールにはさまざまな発がん物質が含まれて います。 喫煙により体内で活性酸素が発生し、細胞を傷つけ、老化を促進します。一般的に老 化の結果として死が訪れると考えられますが、喫煙は身体のさまざまな部位に悪影響を 及ぼし、少なくとも5年以上、老化を促進させるといえます。 たばこを吸うたびにシワが増えるわけではありませんが、喫煙によってビタミンCが 破壊されたり、細胞が傷つけられるため、シワや皮膚のカサつきなどの生理的老化現象 が早く現れます。
◎多くの統計が証明するたばこの害これまでに行われた多くの疫学的・実験的研究から、喫煙は肺がん、喉頭がん、 食道がん、胃がん、膵臓がんなどの多くの部位のがん、冠動脈性心疾患、慢性閉塞性肺 疾患、胃・十二指腸潰瘍、妊娠・出産異常、胎児の成長障害、中枢神経系および感覚器 異常、その他の種々の健康障害と関連していることが明らかにされています。 喫煙者では非喫煙者に比べて、平均余命が短く、老化が促進される傾向にあります。 しかし、ヘビースモーカーでないかぎり、喫煙することによって数年で種々の疾患の死 亡率が非喫煙者の死亡率に近づくこともわかっています。 たばこを吸わないまわりの人たちに迷惑をかけないためにも、また自分自身が早くふ けないためにも、1日も早く禁煙をしましょう。
日医ニュース(24時間の医学No.591)
指導・愛知県がんセンター研究所所長 富永 祐民