健康トピックス  
   
老化を防ぐ!「シミの予防法」

 

 顔にシミがあると、どうしても気になります。最近は20代でもシミが目立つ人がいたりしますが、シミは皮膚の老化現象なのでしょうか?そしてシミは予防できるのでしょうか?

◎シミはこうしてできる
 私たちが一般的にシミと呼んでいるものも、医学的には次の3つに分けることができます。
 第一は薄茶色のシミで老人性色素斑と呼ばれるものです。“老人性”という言葉がついていますが、歳をとるから起こるというよりも、長年にわたって日光(紫外線)を浴びることによって、メラニン色素が一部にまとまって増えるために起こります。いいかえると、紫外線によって皮膚の老化が促進されるのです。ですから日光にさらされない皮膚はきれいです。そのいい例がおしりで、おしりの皮膚には自然の年齢、手の甲には本当の紫外線年齢が出ます。
 第二は目のまわりから頬骨の上にかけてできる境目のはっきりしない茶色のシミで、肝斑(かんぱん)と呼ばれます。これも紫外線で悪化しますが、ホルモンの影響が強く、妊娠や婦人科の病気がきっかけになっていることがあります。
 第三は化粧品などによる「かぶれ」のあとにメラニン色素が残った場合です。軽いかぶれに気づかず、使い続けているうちに顔全体がどす黒くなってきます。化粧品に含まれる香料などが原因になっていることがあります。

◎シミは治るのでしょうか
 「かぶれ」や「肝斑」によるシミでは、その原因をみつけて取り除くことで治ることがあります。また、シミと思っていたらホクロのガンのまえぶれだった、ということもあります。気になるシミについては、まず皮膚科専門の医師に相談しましょう。
 できてしまったシミを完全に治すのはなかなかむずかしいのですが、現在市販されている、いわゆる「美白剤」を根気よく使うのもひとつの方法です。レーザー治療という方法もありますが、レーザーが適さないシミもあります。

◎紫外線によるシミを予防するには
 シミの予防で最も基本的なことは、皮膚を余分な日光にさらさないことです。強い日差しは当然ですが、弱い日差しでも長年当たり続ければシミの原因になります。普段から紫外線の強さに合わせた日焼け止めクリームを使うとか、ツバの広い帽子や日傘を使うなど、シミの防御対策を心掛けましょう。
 日焼けは真夏のものと思い込んでいる人が多いようですが、紫外線は5月頃からすでに強くなっています。戸外での運動や旅行をするときは注意してください。
 また、真夏の海岸で肌を焼く若い人は、その代償として想像以上に早く肌が老化することを覚悟する必要があります。


日医ニュース(24時間の医学No.593)
指導・東京慈恵会医科大学皮膚科助教授 上出 良一