健康トピックス |
顔のシワがなければ表情がはっきりしませんし、シワはその人の歩んできた歴史を刻んでいる・・・などと人生の勲章みたいな表現をする人がいます。しかし、しばらくぶりに会った友だちの顔にシワが目立ったりすると「ああ歳をとったんだなあ・・・」などと思ったりするものです。
できればシワは少ないほうがいいし、できても目立たないほうがありがたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
では、シワはどのようにしてでき、どのようすれば防げるものなのでしょうか。
◎大ジワはこうしてできる皮膚の仕組みは、真皮にはコラーゲン(膠原線維=こうげんせんい)とエラスチン(弾力線維)があり、これが皮膚の弾力やハリを保つことになっています。ニカワのような性質を持つコラーゲンをエラスチンがバネのように支えているのですが、歳をとるとともにそれらの弾力がなくなり、シワができてきます。
シワを見かけ上から見ると大ジワと小ジワに分けられますが、このような皮膚の老化によってできたシワはほとんど大ジワになります。大ジワは真皮が変化したものなので、残念ながら元には戻りません。◎小ジワならば保湿クリームである程度予防することができます
小ジワは角層の水分不足が主な原因です。皮膚の表面には皮脂膜があり、これが角層からの水分蒸発を防いでいます。そこで保湿クリームを塗り、角層の水分を補充するとともに、皮膚の表面の油分を補えば、小ジワが増えるのをある程度は防げます。つまり表皮の範囲内であればシワもなんとか食い止められるというわけです。
◎紫外線はシワにも大敵
日光がシミの原因であることはよく知られていますが、シワを作る原因にもなっています。人体に影響のある紫外線には波長の短いUVBと波長の長いUVAがありますが、UVAは真皮にまで達してダメージを与えるためシワの原因となります。サンスクリーン剤(日焼け防止剤)や日焼け防止効果のある化粧品などをうまく使って防ぐとよいでしょう。ただし、サンスクリーン剤はUVBだけを対象にしている場合もあるので、UVAもカットできるかを調べたうえで使いましょう。
日医ニュース(24時間の医学No.595)
指導・東京都老人医療センター皮膚科部長 山本 達雄