健康トピックス  
   
インフルエンザの予防  
◎かぜとインフルエンザはどう違う?

 「かぜ」は病原体がのどや鼻から侵入して起こりますが、その90%はウイルスによるものです。インフルエンザ(流行性感冒)もインフルエンザウイルスによって起こる「かぜ」の一種ですが、ただこのインフルエンザウイルスは伝染力が強いため、大規模な感染を起こしやすいのが特徴です。そして頭痛、発熱、全身倦怠などの全身症状が強く、肺炎に移行する危険性もあり、最近は脳症の報告も多く、警戒されているのです。
 インフルエンザがやっかいなのは、ウイルスにいろいろな型があり、年によってどの型が流行するのかよくわからず、2種類以上が流行することもあるからです。

◎インフルエンザを予防するには?

 インフルエンザが流行する前にワクチンの接種を受けておくと、たとえかかっても軽くてすみます。それでは予防接種を受けていれば安心かというと必ずしもそうとはいいきれません。前もって接種するため、別の型が流行すると効果はみられません。しかし、新しい技術の導入によって、最近ではかなり予測が一致するようになってきました。


 日常生活でできる予防法には、次の3つがあげられます。

@人混みへ出掛けるのをできるだけ避ける

A外出から帰ったら、うがいと石鹸での手洗いを習慣づける
(石鹸で手を洗えばウイルスは死ぬ)

B加湿器などを使って室内の湿度を保つ
(インフルエンザウイルスは湿度に弱い)よくいわれていることですが、これらが予防の基本です。

◎おかしい・・・と思ったら

 「かぜ」かな?と思ったらまず休養をとりましょう。温かいスープの中にネギやショウガを入れて飲むと呼吸器の症状をやわらげ、水分補給、栄養補給に役立ちます。
 ひきはじめならば休養のみでもよいのですが、あまり早く解熱剤を使うとかえってウイルスを増やしてしまうことがあります。発熱が3日以上続いたら医師の診察を受け、合併症の予防に努めましょう。職場や学校は休み、他人にうつさないことも大きな意味で予防になります。


日医ニュース(24時間の医学No.602)
指導・国立予防衛生研究所ウイルス第一部 呼吸器系ウイルス室長 根路銘国昭