健康トピックス  

中高年女性のヘルスケア-ホルモン補充療法-



更年期と女性ホルモン

 女性特有のホルモン分泌には年齢に伴う著しい変動があります。ご承知のように、思春期、成熟期、更年期、老年期といった各時期に分けられ、現れる疾患も大きく異なり、女性の日常生活に大きな影響を与えます。 とくに、45歳過ぎには卵巣の働きが衰え、エストロゲンという女性ホルモンの欠乏による顔面のほてりや発汗、肩こりなどの症状が発生し、一般に「更年期障害」といわれています。
 さらに老年期になると骨粗鬆症が認められることが多く、QOL(クオリティオブライフ:生活の質)を損ないますので、注意を要します。

ホルモン補充療法って?

 女性特有の更年期障害に、治療だけでなく予防にも効果的なものがホルモン補充療法です。骨量増加作用をはじめ、総コレステロールの低下作用、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の増加作用などが認められ、最近ではアルツハイマー病の予防や尿失禁にも有効であるといわれています。

薬はずっと続けるの?

 薬の投与期間中に不正出血や乳房が痛くなることがまれにありますが、できるだけ長期間薬を続けることが望ましいとされています。ただし、糖尿病の治療を受けている人や血栓性静脈炎を起こしやすい人と、家族に乳癌などを経験している場合、危険なこともありますので、必ずかかりつけ医の診断と的確な指導を受けて下さい。



指導:前 東京慈恵会医科大学産婦人科教授 寺島 芳輝
企画:日本医師会
協賛:ファイザー製薬株式会社