健康トピックス  

尿の切れが悪いと感じたら-高齢男性の尿失禁-



犯人は前立腺肥大症

 60歳以上の男性の約60パーセントは前立腺肥大症だといわれています。排尿した直後におしっこがちょっと出てしまい、いつも下着を汚してしまうと悩んでいる人も多いはず。これは前立腺肥大症からくる症状のひとつでもあり、また年をとって膀胱の筋肉が弱くなったことも関係しています。

がまんして放っておくと・・・

 前立腺肥大症の症状をがまんしてそのまま放っておくと、やがて尿道が圧迫されて排尿困難になったり、膀胱に尿がいつもたまった状態になるため、尿が少量ずつ出っ放しになってしまいます。さらに進むと、腎臓が尿でいっぱいになる水腎症や腎不全になることもあります。重症になればなるほど治療にも時間がかかってしまうのです。
 このほか、脳卒中などの脳血管障害も尿失禁の原因となります。生活習慣の改善で脳血管障害の予防をこころがけることも大切です。
快適な生活を送るために

 トイレの問題で施設に入所せざるをえない高齢者が増えていますが、だれでも下(しも)の世話にはなりたくないもの。
 専門医による簡単な検査で、QOL(クオリティオブライフ:生活の質)を損なうことなく早く適切な治療が受けられます。
前立腺肥大症が軽いうちに、一度かかりつけ医に相談してみましょう。


指導:杏林大学医学部泌尿器科 教授 東原 英二
企画:日本医師会
協賛:第一製薬