健康トピックス  

まだ吸ってるの?!-たばこと肺がん-



たばこは肺の敵

 たばこは人間の身体を確実にむしばんでいきます。まず第一に死亡数の非常に多い肺がんの最大原因であることです。次に肺の働きを低下させ、呼吸に困難をきたす「肺気腫」という病気を招くことです。たばこに含まれるタールの中にあるベンツピレンなど強力な発がん物質が肺がんを引き起こすのです。

たばこと肺がんの怖さ

 肺がんは、他のがんに比べて治る率が非常に悪い病気です。わが国では年間約6万人が肺がんにかかり、約5万人が死亡します。肺がんの多くは無症状で進行しますので、症状が出て気づく時には手遅れのことが多い恐ろしい病気です。
 喫煙者の約半数は肺がんを含めた喫煙に関連した病気で死亡するとされ、たばこ1本吸うと5分30秒寿命が短くなり、非喫煙者より5、6年早死にすると言われています。禁煙によって5〜9年で肺がんのリスクは喫煙者の36%まで低下すると言われていますので、肺がんの予防には禁煙が大切です。

禁煙がはじめの一歩

 日本人の肺がんは欧米諸国に比べて少ないものの、ここ数年急増しています。喫煙習慣が長い人、1日の喫煙本数が多い人は、明らかに肺がんになる確率が高いのです。しかも、受動喫煙によって喫煙者の家族の肺がん発生率が高くなっています。
 自分の、そして家族の健康のためにも、まず禁煙から始めましょう。



指導:東京医科大学第一外科教授 加藤 治文
企画:日本医師会
協賛:第一製薬株式会社