血管への悪い影響
喫煙には血液を固まりやすくさせる作用があるので、喫煙者の血管の中は血栓(血のかたまり)ができやすくなります。さらに、交感神経の刺激のために心拍数や血圧が上がったり、心臓に酸素や栄養を与える冠動脈が収縮して、本来の働きが損なわれてしまいます。
タバコは心筋梗塞の引きがね
冠動脈の内側が傷つけられると、”かさぶた”に似たかたまりができます。このかたまりを覆っている膜が何らかの刺激で破られると、それを修復するために血栓ができて冠動脈は詰まってしまいます。その結果、心臓に酸素と栄養が行かなくなって心筋梗塞が起こるのです。喫煙はこの”かさぶた”の膜を破る刺激の一つです。ですから、タバコを吸ったすぐ後に急性心筋梗塞を起こすこともめずらしくありません。また、喫煙により狭心症が引き起こされることもあり、俗にタバコ狭心症と呼ばれています。
何はともあれ、禁煙を
そのほかにも、喫煙をすると血管の内側を傷つける活性酸素が多く作られたり、動脈硬化を防ぐエストロゲンという女性ホルモンの働きを防げるので、動脈硬化が進んでしまいます。喫煙を止めれば、心筋梗塞や狭心症を起こす危険性はぐっと下がりますから、まずは禁煙です。
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