健康トピックス  

負担をかけないように・・・-慢性心不全の日常生活での注意-



血液を十分送り出すことができない

 心臓は全身に血液を送り出すポンプのようなものです。この心臓のポンプ機能が低下し、身体が必要としているだけの血液を送り出すことができなくなった状態が心不全です。急性と慢性の心不全がありますが、慢性の場合は特に日常の生活と深く関わってきます。



心臓の負担を軽く心がけを

 慢性心不全は、高血圧、冠動脈硬化症、心筋症、弁膜症などが長年にわたって心臓に負担をかけた結果生じたものです。ですから、心不全の原因になっている病気の治療を怠らないことが何より大切です。特に、心不全を悪化させる原因の一つとして、薬の飲み忘れがあるので注意してください。また、心臓の仕事量を増やさないように心がけることも大切です。そのためには、水分・塩分を控える、運動量を制限する、精神的・身体的なストレスをできるだけ避けるなど、日常生活での注意が必要です。

他の病気が病状を悪化させることも

  心臓に病気がある人では、しばしば不整脈が心不全を引き起こしたり、悪化させたりすることがすることがあります。このような人は、自分で脈拍をチェックする習慣を身につけ、脈の異常を早めに発見することが大切です。また、心不全は風邪や気管支炎などの呼吸器感染症がきっかけで悪くなることもあります。少しでもおかしいと思ったら、早めに医師の診察を受けましょう。



指導:杏林大学 名誉教授 石川 恭三
企画:日本医師会
協賛:第一製薬