健康トピックス  

下げすぎにもご注意 -高血圧の治療-




どこまで下げれば安全か

 高血圧は、放っておくと心臓や血管に負担をかけ、脳や心臓、肝臓などに様々な障害をもたらす原因となります。
これらの予防のためにも高血圧の治療は大切ですが、その際問題となるのは、どこまで血圧を下げれば安全かということです。
年齢や合併症の有無にもとりますが、上(収縮期血圧)が140mmHg未満、下(拡張期血圧)が90mmHg未満が目安であり、若年・中年者では上が130mmHg未満、下が85mmHg未満が理想です。
血圧は低すぎてもよくありません。

 しかし、血圧が低すぎるのも問題です。動脈硬化が進んでいるお年寄りの場合には、血圧を下げすぎると、かえって狭心症の発作や脳梗塞を起こしたり、腎臓の働きを悪くすることがあります。
 例えば、70歳代では目標値として、上を150〜160mmHg以下、下を90mmHg未満にして、その後可能であれば、上を140mmHg以下に、下を90mmHg未満とするとよいでしょう。お年寄りでは、急な下げすぎは危険です。
目標値は医師によく相談を

 お年寄りは特に個人差が大きく、糖尿病や肝臓病などの合併症があると目標値が変わってきます。かかりつけ医の指示に従って、適正な血圧値を維持するよう心がけましょう。


指導:慶應義塾大学医学部内科 教授 猿田 享男
企画:日本医師会
協賛:武田薬品