健康トピックス  

本当に太っていますか? -"やせすぎ"は危険-



”やせ”の弊害とは

 現代女性の多くがスマートな身体にあこがれているようです。
思春期の女性では、理想の体重が現在の体重より軽いと答える人が9割以上もいます。
しかし、無計画なダイエット(減食)によって急激に体重が減少すると、女性の場合、低栄養による障害だけでなく、月経が来なくなる(無月経)、不規則になるなどの月経異常を引き起こすことがあります。
ストレスも原因の一つ

 ”やせすぎ”の原因はダイエットに限りません。受験や友人関係、職場でのトラブル、転居による環境の変化、失恋などの様々な社会的なストレスから食欲不振となり、急激な体重減少を招くことがあります。

放置すると治りにくい

 体重減少による無月経の場合、標準体重まで回復させれば月経が開始することがあります。また、治療によって回復させる方法もあります。
ただし、月経がなくなってから2年以上放っておくと治りにくくなってしまいます。体重が減って月経が不規則になったり、月経が来なくなったら、早めに婦人科を受診して、検査や治療を受けることが大切です。
標準体重と”やせ”の定義 
 日本肥満学会では、BMI(Body mass index)={体重(kg)÷身長(m)2}=22を標準としています。
したがって、標準体重は、身長(m)2×22で求めることができます。
例:身長160cm(1.6m)の人は、1.6×1.6×22=56.32 で56.32kgが標準体重となります。
 また、一般にBMIが18.5未満の人を低体重と定義し、若い女性の場合では、標準体重の80%以下(BMIが17.6以下)を”やせ”と定義しています。



指導:杏林大学医学部産婦人科 教授 中村 幸雄
    杏林大学医学部産婦人科     勝又 木綿子
企画:日本医師会
協賛:第一製薬