健康トピックス  

症状がないことも -慢性胃炎とは何か-



急性と慢性の違いは?

 病名の前には“急性”や“慢性”がつくことがあります。
急性とは日単位で病状が変化するものを意味することが多く、これに対して慢性は月単位、年単位での変化と考えることができます。
かぜや食中毒の時に生じ、腹痛や胸焼け、嘔吐などを引き起こす胃炎は通常4、5日でよくなる急性胃炎です。一方、慢性胃炎では、胃の変化が1ヶ月以上続きます。



症状だけではわかりません

 慢性胃炎は胃の粘膜に長びく異変が生じたものです。
粘膜の状態はさまざまで、実際にキズとして認識できるものから、色の変化だけのもの、萎縮が生じたものがあり、それらが混ざりあっているものもあります。
胃の症状にも個人差があり、激しく痛みを感じる人もいれば、これといった症状のない人もいます。
このため、慢性胃炎かどうかを知るには、内視鏡による診断が必要になります。

胃がんとの関連も

 内視鏡によって胃の粘膜の状態がわかれば、それに合わせた治療を行うことができます。
最近では、老化現象と思われていた萎縮性の胃炎が、実はピロリ菌が原因ということもわかってきました。
胃がんの発生と関連がないとはいえないだけに、症状がなくても定期的に内視鏡で検査をすれば安心です。
一度、かかりつけ医にご相談ください。



指導:東邦大学大橋病院
    消化器内科教授 酒井 義浩
企画:日本医師会
協賛:武田薬品