健康トピックス  

耳が遠い-高齢者の難聴-



耳が遠いとは

 「耳が遠い」すなわち難聴の原因はさまざまです。
音は、耳の穴に入ると、鼓膜を振動させ、この振動が中耳にある耳小骨を経由し、内耳の蝸牛に伝わり、さらに大脳の聴覚野に到達し、音として聞こえます。
この経路のいずれに障害があっても難聴となりますが、とりわけ内耳の蝸牛の障害による難聴が多く、高齢者の難聴もそれに該当します。

高齢者の難聴とハンディキャップ

 2005年のわが国の人口構成では、65歳以上の高齢者人口は、全年齢中、約20%を占め2500万人です。
そして65歳以上の40%である1000万人の方が、老化による難聴のコミュニケーション障害を持っています。
難聴があると、人との会話が不自由になり、大きなハンディキャップが生じ、生活の質が低下します。

どんな予防・治療がありますか?また周囲の対応は?

 老化による難聴については、有効な予防法は見つかっていません。
主な治療法は補聴器をつけることです。
その際は、ぜひ医師にご相談ください。
 難聴のある人と会話をするときには、声を大きく、ゆっくり話して、できるだけ聞き取りやすいようにしましょう。
ちょうど、私たちが外国の言葉を聞くときに、ゆっくり話してもらうと理解しやすくなるのと同じです。
高齢者の難聴は、誰にでも起こり得ます。
難聴はハンディキャップであると考え、イライラしないで会話することが大切です。



指導:東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科学
   教授 喜多村 健
企画:日本医師会
協賛:第一三共株式会社